世界モデルが物体を操作する過程を予測するとき、対象物が根拠なく複製されたり消えたりすることがあります。招商局集団の先進技術研究院と南洋理工大学(NTU)はこの現象に「モデルの怠慢」と名づけ、抑える監督フレームワーク「EVEWorld」を発表しました。

何が問題なのか
主流の作り方は、動画生成モデルを実演データで教師あり微調整するものです。ただし評価は見た目の再現に偏りがちで、狭い領域の誤りは全体の誤差に埋もれます。隣り合うフレームで同じ物体が同じ物であり続けることは、明示的には要求されていませんでした。
提案手法
EVEWorldは2つの仕組みを組み合わせます。対象物の一貫性を強める回復の訓練と、フレームをまたいだ対象物の対応づけです。指標として「モデルの怠慢率」を提案し、持続的な数量異常が起きた割合を測ります。
報告された数値
論文によれば、評価用データセットのDreamGenBenchで怠慢率を11.11%から1.59%へ下げ、相対で85.7%の削減となりました。指示追従の指標も13.6%改善したとされています。Gen-2 by RunwayやKLING AIの品質評価とは着眼点が異なります。
編集部の見解
ロボットの学習に使う予測映像は、見た目より物理的な整合性が重要です。物が勝手に増えるデータで訓練すれば、方策も誤ります。数値は論文側の報告ですが、評価軸を「数量の異常」として定義したこと自体に実務的な価値があります。日本の現場では、自社の作業映像で同種の異常が出ないかを確かめる観点を持ちたいところです。
my-best.ai 編集部
出典:arXiv(cs.CV / cs.AI、2026年10月15日)
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