自己整合性(Self-Consistency)|AI 用語辞典
用語辞典 / プロンプト・活用

自己整合性(Self-Consistency)Self-Consistency — 読み:じこせいごうせい

自己整合性(Self-Consistency)は、同じ問題に対して複数の考え方の道筋を出させ、最後にいちばん多く現れた答えを採用する手法です。1回だけ答えさせる方法と比べて、算数や常識的な推論の正解率が上がったと報告されています。このページでは、仕組み・出典・向き不向き・プロンプト例・FAQ をまとめます。

分類:プロンプト・活用タイプ:実務型(プロンプト 3 本)更新:2026年10月23日出典付き:はい
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導入Introduction

自己整合性(Self-Consistency)は、同じ問題に対して複数の考え方の道筋を出させ、最後にいちばん多く現れた答えを採用する手法です。1回だけ答えさせる方法と比べて、算数や常識的な推論の正解率が上がったと報告されています。このページでは、仕組み・出典・向き不向き・プロンプト例・FAQ をまとめます。

このページの使い方:定義と仕組みで概念を掴み、プロンプト集で実務に落とし込み、FAQ で細部を確認できます。関連用語のリンクで、必要な範囲だけをたどって学べます。
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用語の定義Definition

自己整合性(Self-Consistency)は、同じ問題に対して複数の考え方の道筋を出させ、最後にいちばん多く現れた答えを採用する手法です。1回だけ答えさせる方法と比べて、算数や常識的な推論の正解率が上がったと報告されています。このページでは、仕組み・出典・向き不向き・プロンプト例・FAQ をまとめます。

  • 同じ問題を何度も解かせ、多数決で答えを選ぶ手法
  • 答えを1つに絞るのではなく、考え方の道筋を複数サンプリングする
  • 正解が1つに決まる問題に向き、文章作成のように正解が複数ある課題には向かない

出典:my-best.ai 用語辞典「自己整合性(Self-Consistency)」(https://my-best.ai/ai-dictionary/self-consistency/)

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仕組み・原理How it works

① ふだんの使い方は「1本道」で答えを出す

対話型AIは、次の言葉を確率の高い順に1つ選ぶ形で文章を作ります。この選び方を繰り返すと、毎回ほぼ同じ道筋を通って同じ答えに着地します。論文ではこれを貪欲法(greedy decoding)と呼び、思考の連鎖(Chain-of-Thought)と組み合わせても、途中で計算を間違えるとそのまま間違った答えに進んでしまうと指摘しています。

② わざと道筋をばらけさせる

自己整合性では、答えを1つに絞らず、確率にばらつきを持たせた選び方(サンプリング)で複数の解答を作ります。同じ問題でも、式の立て方や順番が少しずつ違う道筋が生まれます。論文の表現では、多様な推論経路をサンプリングし、その集合から答えを選ぶ、という手順になります。ばらつきの大きさは温度(temperature)で調整します。

③ 最後に多数決で決める

出てきた複数の答えのうち、もっとも多く現れたものを最終的な答えとします。論文はこれを、サンプリングした推論経路を周辺化して「もっとも一貫した答え」を選ぶ操作と説明しています。道筋が違っても同じ答えに辿り着くなら、その答えは信頼できる、という前提に立つ手法です。途中の計算式まで一致させる必要はなく、比べるのは最終的な答えだけです。

④ 効く場面と、効かない場面

論文では、算数の文章題や常識的な推論のベンチマークで思考の連鎖だけを使う場合より正解率が上がったと報告されています(GSM8K で +17.9%、SVAMP で +11.0% など)。一方、正解が1つに決まらない課題では、多数決の意味そのものが薄くなります。文章の下書き、企画の案出し、要約のように「どれも正解になりうる」仕事には向きません。また、同じ質問を複数回投げる分だけ、時間と費用も増えます。

1同じ問題を渡す答えが1つに決まる問題を選ぶ2道筋を複数サンプリングばらつきを持たせて5回ほど解かせる3答えだけを抜き出す計算式は捨て、最終的な答えを集める4多数決で決めるもっとも多く現れた答えを採用する5割れた問題を残す意見が分かれた問題は人が見る対象にする
自己整合性は「答えの多数決」で精度を上げる手法
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原始出處Origin

自己整合性は、2022年3月に公開された論文で提案され、ICLR 2023 に採録されました。著者らは、思考の連鎖と組み合わせた貪欲法による decoding を置き換える手法として提案し、算数と常識推論の複数のベンチマークで改善を報告しています。改善幅は GSM8K で +17.9%、SVAMP で +11.0%、AQuA で +12.2%、StrategyQA で +6.4%、ARC-challenge で +3.9% です。これらの数値は論文の抄録に記載された条件での結果であり、手元の業務に同じだけ効く保証はありません。

  • Wang ほか「Self-Consistency Improves Chain of Thought Reasoning in Language Models」(arXiv:2203.11171、2022年3月21日公開、ICLR 2023、2026年10月23日参照)
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応用シーンUse cases

見積もりの検算

同じ見積り依頼を複数回投げ、金額が揃うかを見ます

仕分けの安定確認

分類の結果が回によって変わらないかを確かめられます

チェックリスト判定

項目ごとの可否が揃うかどうかを確かめる用途に向きます

社内Q&Aの回答一致

同じ質問への回答がぶれないかを点検できます

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メリット・デメリットPros & Cons

メリット

  • 正解が1つに決まる問題では、1回だけ聞くより精度が上がりやすい
  • どの答えが多かったかが残るので、判断の根拠を説明しやすい
  • モデルを替えずに試せるため、導入の敷居が低い

デメリット・注意点

  • 同じ質問を複数回投げる分、時間と利用料が増える
  • 正解が複数ある課題では、多数決の意味が薄い
  • 毎回すべて同じ答えになると、精度は上がらず手間だけ増える
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よくある誤解Misconceptions

回数を増やせば増やすほど正しくなる
そうとは限りません。ばらつきが小さすぎる設定では毎回同じ道筋になり、多数決は1回だけ聞くのと変わりません。逆にばらつきを大きくしすぎると、的外れな答えが増えて集計が乱れます。
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関連用語Related terms

用語同士は相互リンクされています。未掲載の用語は用語一覧の該当項目へリンクします。

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プロンプト集Prompt collection

実務でそのまま使えるプロンプト例です。コピーして〔 〕内を置き換えてください。同じカードはプロンプト集にも掲載されています。

自己整合性(Self-Consi

同じ問題を5回解かせて答えを比べる

検算の準備

見積もりの計算を、AIに5回解かせて答えが揃うか確認したいです。
次の問題を5回解いてください。各回は「手順 → 答え」の順で書き、最後に5つの答えを並べて、いくつ一致したかを書いてください。

問題:(ここに書く)
自己整合性(Self-Consi

割れた理由を分類させる

原因の切り分け

同じ質問への答えが回によって割れたとき、原因を切り分けたいです。
次の5つの答えについて、①読み取りの違い ②計算の違い ③前提の置き方の違い のどれに当たるかを1つずつ判定し、表にまとめてください。

5つの答え:(ここに貼る)
自己整合性(Self-Consi

多数決に向く質問かを見極める

用途の判断

手元の業務のうち、自己整合性が向く質問を選びたいです。
次の業務リストについて、「正解が1つに決まるか」の観点で○△×を付け、その理由を1行で書いてください。△には、正解を1つに決めるための条件も添えてください。

業務リスト:(ここに書く)
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FAQ(よくある質問)FAQ

何回くらい聞けばいいですか?
論文の実験では複数のサンプル数が比較されていますが、手元の業務で決まった回数はありません。まず5回で試し、答えが割れる問題が多いなら回数を増やす、揃いすぎるなら温度を上げる、という順で調整するほうが判断しやすいです。
温度はどのくらいにすればいいですか?
一律の推奨値はありません。温度が低すぎると毎回同じ道筋になり、高すぎると的外れな答えが混ざります。同じ問題を5回投げたときに、答えが2〜3種類に分かれる程度から試してください。
1回だけ聞く使い方との違いは何ですか?
1回だけ聞く使い方は、もっとも確からしい道筋を1本通る方法です。自己整合性は、複数の道筋を出させてから答えを選びます。手間は増えますが、途中の計算間違いが答えに残りにくくなります。
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出典・参考文献References

出典:次の一次資料を参照しました(参照日 2026年10月23日)。リンクは貼らず、媒体名と資料名のみを記します。

  • Wang ほか「Self-Consistency Improves Chain of Thought Reasoning in Language Models」(arXiv:2203.11171、2022年3月21日公開、ICLR 2023、2026年10月23日参照)

定義・出典の記述は一次資料に基づきます。リンク先の内容は公開時点のものです。

学習ルート:はじめての方は チュートリアル「はじめての LLM 活用」 から読み、用語の意味を引くときは 用語一覧、そのまま使える例文は プロンプト集、実務の手順は ガイド一覧 を参照してください。
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まとめSummary

自己整合性は、同じ問題を複数回解かせ、いちばん多く現れた答えを採用する手法です。正解が1つに決まる計算や分類では精度が上がりやすい一方、文章作成のように正解が複数ある課題には向きません。回数とばらつきの設定を変えながら、手元の業務で効果を測る使い方が現実的です。

  • 同じ問題を複数回解かせ、答えの多数決で決める
  • 論文では GSM8K で +17.9% など、正解が1つの課題で改善
  • 正解が複数ある課題と、回数を増やすほど良いという思い込みには注意

次はチュートリアルで手を動かす

自己整合性を業務で試す:5回聞いて答えを比べる手順 — 所要 15〜30 分程度の実践形式です。

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