自己整合性(Self-Consistency)は、同じ問題に対して複数の考え方の道筋を出させ、最後にいちばん多く現れた答えを採用する手法です。1回だけ答えさせる方法と比べて、算数や常識的な推論の正解率が上がったと報告されています。このページでは、仕組み・出典・向き不向き・プロンプト例・FAQ をまとめます。
自己整合性(Self-Consistency)は、同じ問題に対して複数の考え方の道筋を出させ、最後にいちばん多く現れた答えを採用する手法です。1回だけ答えさせる方法と比べて、算数や常識的な推論の正解率が上がったと報告されています。このページでは、仕組み・出典・向き不向き・プロンプト例・FAQ をまとめます。
自己整合性(Self-Consistency)は、同じ問題に対して複数の考え方の道筋を出させ、最後にいちばん多く現れた答えを採用する手法です。1回だけ答えさせる方法と比べて、算数や常識的な推論の正解率が上がったと報告されています。このページでは、仕組み・出典・向き不向き・プロンプト例・FAQ をまとめます。
出典:my-best.ai 用語辞典「自己整合性(Self-Consistency)」(https://my-best.ai/ai-dictionary/self-consistency/)
対話型AIは、次の言葉を確率の高い順に1つ選ぶ形で文章を作ります。この選び方を繰り返すと、毎回ほぼ同じ道筋を通って同じ答えに着地します。論文ではこれを貪欲法(greedy decoding)と呼び、思考の連鎖(Chain-of-Thought)と組み合わせても、途中で計算を間違えるとそのまま間違った答えに進んでしまうと指摘しています。
自己整合性では、答えを1つに絞らず、確率にばらつきを持たせた選び方(サンプリング)で複数の解答を作ります。同じ問題でも、式の立て方や順番が少しずつ違う道筋が生まれます。論文の表現では、多様な推論経路をサンプリングし、その集合から答えを選ぶ、という手順になります。ばらつきの大きさは温度(temperature)で調整します。
出てきた複数の答えのうち、もっとも多く現れたものを最終的な答えとします。論文はこれを、サンプリングした推論経路を周辺化して「もっとも一貫した答え」を選ぶ操作と説明しています。道筋が違っても同じ答えに辿り着くなら、その答えは信頼できる、という前提に立つ手法です。途中の計算式まで一致させる必要はなく、比べるのは最終的な答えだけです。
論文では、算数の文章題や常識的な推論のベンチマークで思考の連鎖だけを使う場合より正解率が上がったと報告されています(GSM8K で +17.9%、SVAMP で +11.0% など)。一方、正解が1つに決まらない課題では、多数決の意味そのものが薄くなります。文章の下書き、企画の案出し、要約のように「どれも正解になりうる」仕事には向きません。また、同じ質問を複数回投げる分だけ、時間と費用も増えます。
自己整合性は、2022年3月に公開された論文で提案され、ICLR 2023 に採録されました。著者らは、思考の連鎖と組み合わせた貪欲法による decoding を置き換える手法として提案し、算数と常識推論の複数のベンチマークで改善を報告しています。改善幅は GSM8K で +17.9%、SVAMP で +11.0%、AQuA で +12.2%、StrategyQA で +6.4%、ARC-challenge で +3.9% です。これらの数値は論文の抄録に記載された条件での結果であり、手元の業務に同じだけ効く保証はありません。
同じ見積り依頼を複数回投げ、金額が揃うかを見ます
分類の結果が回によって変わらないかを確かめられます
項目ごとの可否が揃うかどうかを確かめる用途に向きます
同じ質問への回答がぶれないかを点検できます
用語同士は相互リンクされています。未掲載の用語は用語一覧の該当項目へリンクします。
実務でそのまま使えるプロンプト例です。コピーして〔 〕内を置き換えてください。同じカードはプロンプト集にも掲載されています。
検算の準備
見積もりの計算を、AIに5回解かせて答えが揃うか確認したいです。 次の問題を5回解いてください。各回は「手順 → 答え」の順で書き、最後に5つの答えを並べて、いくつ一致したかを書いてください。 問題:(ここに書く)
原因の切り分け
同じ質問への答えが回によって割れたとき、原因を切り分けたいです。 次の5つの答えについて、①読み取りの違い ②計算の違い ③前提の置き方の違い のどれに当たるかを1つずつ判定し、表にまとめてください。 5つの答え:(ここに貼る)
用途の判断
手元の業務のうち、自己整合性が向く質問を選びたいです。 次の業務リストについて、「正解が1つに決まるか」の観点で○△×を付け、その理由を1行で書いてください。△には、正解を1つに決めるための条件も添えてください。 業務リスト:(ここに書く)
出典:次の一次資料を参照しました(参照日 2026年10月23日)。リンクは貼らず、媒体名と資料名のみを記します。
定義・出典の記述は一次資料に基づきます。リンク先の内容は公開時点のものです。
自己整合性は、同じ問題を複数回解かせ、いちばん多く現れた答えを採用する手法です。正解が1つに決まる計算や分類では精度が上がりやすい一方、文章作成のように正解が複数ある課題には向きません。回数とばらつきの設定を変えながら、手元の業務で効果を測る使い方が現実的です。