用語辞典 / モデル・基盤技術

RAG(検索拡張生成)Retrieval-Augmented Generation — 読み:らぐ

RAG は、LLM が答える前に外部の資料を検索し、その内容を根拠として回答を作る仕組みです。社内文書や最新情報を扱えるようにする、実務で最も使われる構成のひとつです。

分類:モデル・基盤技術タイプ:実務型(プロンプト 6 本)更新:2026年10月13日出典付き:はい
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導入Introduction

RAG は、LLM が答える前に外部の資料を検索し、その内容を根拠として回答を作る仕組みです。社内文書や最新情報を扱えるようにする、実務で最も使われる構成のひとつです。

このページの使い方:定義と仕組みで概念を掴み、プロンプト集で実務に落とし込み、FAQ で細部を確認できます。関連用語のリンクで、必要な範囲だけをたどって学べます。
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用語の定義Definition

RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)は、LLMが回答する前に外部のデータベースや社内文書を検索し、その結果をもとに回答を生成する仕組みです。

  • 回答の前に「検索」を挟むことで、根拠のある出力にする
  • モデルを再学習せずに、社内文書や最新情報を反映できる
  • 検索の精度(チャンク設計・インデックス)が成果を左右する

出典:my-best.ai 用語辞典「RAG(検索拡張生成)」(https://my-best.ai/ai-dictionary/rag/)

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仕組み・原理How it works

① 文書をチャンクに分割して索引化する

PDF やマニュアルを数百字程度の塊(チャンク)に分け、それぞれを埋め込みベクトルに変換してベクトルデータベースに登録します。この分割設計が検索精度の土台になります。

② 質問に関連するチャンクを検索する

質問文も同じ変換器でベクトル化し、意味が近いチャンクを上位 K 件取得します。必要に応じてキーワード検索と組み合わせるハイブリッド構成も使われます。

③ 取得した根拠をプロンプトに差し込んで生成する

取得したチャンクをプロンプト内に「参照資料」として挿入し、「資料の範囲で答え、不明なら不明と述べる」よう指示したうえで LLM に生成させます。

1ユーザーの質問自然文で問い合わせ2質問をベクトル化検索用の埋め込みを生成3ベクトル DB を検索意味が近い文書を上位 K 件取得4関連チャンクを取得根拠となる本文を取り出す5プロンプトに挿入「資料の範囲で回答」と指示6回答(出典付き)根拠箇所を添えて出力
RAG の処理フロー:検索してから生成する
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原始出處Origin

RAG は 2020 年、Facebook AI(現 Meta AI)の Lewis らが発表した「Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks」で提案された手法です。知識をモデルの重みに閉じ込めるのではなく、外部から検索して補う点が特徴で、LLM の業務利用が広がるにつれ標準的な構成になりました。

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応用シーンUse cases

社内 FAQ チャットボット

規程・マニュアルを検索して回答させる

カスタマーサポート

過去の対応履歴を根拠に返信案を作る

契約書・法務の照会

該当条項を引用させ、確認の手間を減らす

リサーチ支援

複数資料を読み込ませて要点を比較する

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メリット・デメリットPros & Cons

メリット

  • 社内文書や最新情報を、モデルの再学習なしで反映できる
  • 回答に根拠(出典)を添えられるため、業務での検証がしやすい
  • 文書を更新するだけで知識を最新化できる
  • ハルシネーションの低減に直接効く(最も実務的な対策の 1 つ)

デメリット・注意点

  • 検索精度が低いと、関係のない資料を根拠にした誤答が増える
  • PDF の表・図・段組みなど、レイアウトの崩れに弱い
  • チャンク設計・埋め込みモデル・上位 K 件数の調整に手間がかかる
  • 参照資料が長いとコンテキストを圧迫し、コストが増える
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よくある誤解Misconceptions

RAG を入れれば誤答はゼロになる
検索が外れれば誤答は残ります。実際には「検索精度の改善」と「根拠外は答えない指示」の両方を設計して初めて効果が出ます。
RAG はファインチューニングの代わりにならない
役割が違います。知識を参照させたいなら RAG、文体や応答の型を覚えさせたいならファインチューニングが向いています。
文書を大量に入れれば精度が上がる
古い版・重複・無関係な文書を混ぜると精度は下がります。対象を絞り、版管理を行うことが重要です。
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関連用語Related terms

用語同士は相互リンクされています。未掲載の用語は用語一覧の該当項目へリンクします。

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プロンプト集Prompt collection

実務でそのまま使えるプロンプト例です。コピーして〔 〕内を置き換えてください。同じカードはプロンプト集にも掲載されています。

RAG(検索拡張生成)

資料の範囲だけで答えさせる

根拠外の推測を防ぐ基本の型

あなたは社内規程の案内担当です。以下の【資料】だけを根拠に回答してください。
・資料に書かれていないことは「資料に記載がありません」と答える
・回答には引用元の見出しを添える
・推測が必要な場合は「推測」と明記する

【資料】
(検索で取得したテキスト)

【質問】
(ユーザーの質問)
RAG(検索拡張生成)

検索用のクエリを書き換える

あいまいな質問を検索に向く形に変換する

ユーザーの質問:「(例:経費ってどう申請するの?)」
この質問で社内文書を検索するため、検索クエリを 5 パターン生成してください。
条件:専門用語を含む/言い換えを含む/想定される同義語を含む。各クエリは 30 字以内。
RAG(検索拡張生成)

根拠の十分性を判定する

回答前に「答えられるか」を確認させる

以下の【資料】で【質問】に答えるのに十分か判定してください。
出力:判定(十分/不十分)/理由 2 行/不足している情報/追加で検索すべきキーワード 3 つ。

【資料】(テキスト)
【質問】(質問文)
RAG(検索拡張生成)

回答を出典付きで整形する

確認できる形に整える

以下の回答を、読み手が根拠をたどれる形に整形してください。
・結論を先に 1 文
・根拠は〔資料名 / 見出し〕の形式で該当箇所ごとに添える
・根拠が無い記述は削除し、削除箇所を一覧で示す

(ここに回答文)
RAG(検索拡張生成)

チャンクを要約して索引に使う

検索精度を上げる前処理

以下の文書を、検索に使う 300 字程度の単位に分割してください。
条件:見出しを各チャンクの先頭に残す/表は行単位で意味が通るよう保つ/各チャンクに 20 字程度の見出しを付ける。

(ここに文書)
RAG(検索拡張生成)

検索結果を再ランク付けする

上位 K 件の質を上げる

質問と、検索で取得した候補を提示します。各候補について 0〜10 点の関連度を付け、理由を 1 行で述べてください。回答に使うべき上位 3 件だけを最後に列挙してください。

【質問】(質問文)
【候補】(候補テキストを番号付きで)
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FAQ(よくある質問)FAQ

RAG とファインチューニングはどちらを先に試すべきですか?
多くの場合 RAG が先です。文書の追加・更新だけで改善でき、根拠を示せるため検証しやすいからです。文体や出力の型を覚えさせたい段階でファインチューニングを検討します。
チャンクサイズの目安はありますか?
見出し単位で意味が完結する大きさが基本で、日本語では 300〜800 字程度が出発点になります。実データで検索テストを行い、「正解チャンクが上位に入るか」で調整します。
社内文書が PDF だけでも構築できますか?
可能ですが、表や段組みの崩れが精度に影響します。テキスト抽出の品質を確認し、必要なら見出し情報をメタデータとして付与します。
回答に出典を必ず出させるには?
プロンプトで引用形式を指定し、根拠が無い場合は回答しないよう指示します。併せて、取得チャンクに文書名と見出しを持たせておくことが前提になります。
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出典・参考文献References

定義・出典の記述は一次資料に基づきます。リンク先の内容は公開時点のものです。

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まとめSummary

RAG は「検索してから生成する」構成で、LLM に社内知識と最新情報を与える最も practical な方法です。効果を決めるのはモデルではなく検索の設計であり、チャンク・索引・指示文をセットで調整します。

  • まず小さな資料セット(数十件)で検索精度を検証する
  • 「資料に無い場合は答えない」指示を必ず入れる
  • 文書の版管理と重複排除を運用に組み込む

次はチュートリアルで手を動かす

社内 PDF で RAG を試す:最小構成の作り方 — 所要 15〜30 分程度の実践形式です。

チュートリアルを開く →
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