中国のZ.ai(智譜)は10月12日、法律実務の遂行に特化したエージェントモデル「GLM-Legal」を発表しました。資料の読み込みから、根拠づけられた分析、納品形式に整えた成果物までを一連の流れで処理することを目指したモデルです。

発表の概要
公式ブログによると、GLM-Legalは同社の小型基盤「GLM-5.3-Flash」をベースに、法務分野の中間学習(ミッドトレーニング)と強化学習による後段学習で仕上げたモデルです。報告では、法律事務所の実務を再現した評価「Harvey LAB」で、24の業務分野にわたって全項目合格(オールパス)率19.2%を達成し、ベースモデルから12.5ポイント改善したとしています。
| 項目 | 報告内容 |
|---|---|
| 基盤 | GLM-5.3-Flash(MoE構成・約3200億パラメータ/有効180億) |
| Harvey LAB | オールパス率19.2%(+12.5ポイント、いずれも報告値) |
| 提供形態 | 申請制。デスクトップエージェント「AutoClaw」へ順次搭載 |
法務タスクを「一つの仕事」として扱う
発表文書は、法務作業に求められる「事実→法令→分析→納品物」という連鎖を、途中で途切れさせないことを目標としています。契約書レビューの例では、解約条項の修正案を追跡付き変更(トラックチェンジ)としてWord文書へ反映するデモが示されました。証拠文書を横断して矛盾を突き止める例も公開されています。
数字は提供元の報告である点に注意
Harvey LABの数値はZ.ai自身の評価で、第三者検証はまだありません。また現時点で公開APIはなく、利用は申請制です。実務適用を考える場合は、自社の契約様式や準拠法で精度を検証する工程が不可欠です。
編集部の見解
法務は「間違いの許されない専門領域」であり、AIの適用が最も慎重になる分野です。その中で、汎用モデルを薄く使うのではなく、実務の一連の流れごと学習させる方向性は、HarveyやSpellbook、LegalOnといった法務AIツールの競争環境を変える可能性があります。日本語契約書への適応度は未検証なので、日本の法務部門ではまず評価結果の公開を注視するのが良いでしょう。
my-best.ai 編集部
出典:Z.ai「GLM-Legal: Advancing Agentic Legal Intelligence」(2026年10月12日)
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