社内文書をAIに答えさせる:RAG構築の6ステップ

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社内文書をAIに答えさせる:RAG構築の6ステップ

社内文書をもとにAIへ答えさせたいとき、文書をそのまま学習させるより、必要な部分を検索して渡すほうが現実的です。この方式はRAG(検索拡張生成)と呼ばれます。本記事では、DeepLearning.AIが公開しているRAGの講座で扱われている流れを参考に、構築の手順を6つに整理します。最初から完璧を目指さず、1つの部署・1つの資料群から始めるのが現実的です。

社内文書をAIに答えさせる:RAG構築の6ステップのポイント

RAGが必要になる場面

社内規程、製品仕様、過去の提案書など、外部に公開されていない情報を根拠に答えさせたい場面で有効です。学習済みの知識だけでは社内の事情は分からないため、質問のたびに該当箇所を探して渡す必要があります。この「探して渡す」部分を仕組みにするのがRAGです。

手順1:対象の資料を1つの範囲に絞る

最初は1つのテーマに絞ります。たとえば「経費精算の規程」だけ、というように範囲を決めます。全社の文書を対象にすると、検索の精度が落ち、誤りの原因も特定しにくくなります。

手順2:文書を機械が読める形にそろえる

PDFやスキャン画像のままでは検索できません。文字情報として取り出し、見出し構造を保った形に整えます。手書きや図表が多い資料は、この工程に時間がかかるため、優先度を下げるか対象から外します。

手順3:意味のかたまりに分割する

長い文書は、見出しや段落の単位で区切ります。区切りが大きすぎると関係ない情報が混ざり、小さすぎると文脈が失われます。1つの区切りに1つの話題が入るように整えるのが目安です。分割した内容は埋め込みと呼ばれる数値表現に変換し、ベクトルデータベースに保管します。

手順4:検索の条件を決める

質問に対して、どの資料のどの部分を渡すかを決める条件を設計します。取得する件数、類似度のしきい値、優先する資料の指定などです。条件が緩いと無関係な情報が混ざり、厳しいと必要な情報が取れません。まずは取得件数を少なめに設定し、回答を見ながら調整します。

手順5:根拠を必ず示させる

回答には、参照した資料名と該当箇所を添えさせます。根拠が示されていれば、人は短時間で正しさを確認できます。根拠が見つからない場合は「該当なし」と答えるよう指示しておくと、推測で埋めるのを避けられます。

手順6:質問集で評価し、更新する

実際に想定される質問を20〜30件用意し、正しく答えられるかを確認します。誤答は、資料の整備不足・分割の不適切・検索条件のいずれかに原因が分かれます。資料を更新したら検索側にも反映し、評価用の質問集で再確認します。この往復が品質を保つ中心になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 文書をAIに学習させればよいのでは?

A. 社内文書は更新が頻繁なため、学習のやり直しには時間と費用がかかります。検索して渡す方式なら、資料を差し替えるだけで内容を反映できます。変更が多い文書ほど、検索方式のほうが向いています。

Q. 誤った回答を防げますか?

A. 完全には防げません。根拠を表示させる、見つからないときは答えないと指示する、重要な判断は人が確認する、の3点を組み合わせて運用で抑えます。誤答の記録を残し、原因別に手を打つことが重要です。

Q. どのくらいの資料量から始めればよいですか?

A. 件数より、質問の範囲がはっきりしていることが重要です。数十ページ程度の規程集など、範囲の狭い資料群から始めると、検索精度の確認がしやすくなります。

編集部の見解

RAGの品質は、検索の技術より「資料の整備」で決まります。古い版が残っていたり、部署ごとに表現が違っていたりすると、どんなに仕組みを良くしても正しい答えは出ません。当編集部では、構築と同時に資料の棚卸しを進めることをすすめています。担当者が不在でも更新が続く状態をつくることが、結果的にいちばんの近道です。

my-best.ai 編集部

出典:DeepLearning.AI「Retrieval Augmented Generation (RAG)」ほか関連コース(要約して紹介しています)



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