tl;dv(ティーエルディーブイ)は、会議を録画して文字起こしとAIノートを作るサービスです。無料プランでも録画と文字起こしが無制限という太い枠が最大の特徴で、他ツールが有料にしている部分を無料で試せます。編集部では、30分の商談と60分の社内定例を録って試しました。AIノートは月10会議までという制限があり、実務で常用するならPro以上が前提です。本記事では2026年10月時点の公式情報をもとに、使える範囲と費用を整理します。
この記事の結論
- 強みは無料でも録画と文字起こしが無制限。まず試すハードルが低いツールです
- 料金は無料(AIノート10会議/月・アップロード3件/月)/Pro 月29ドル(年払いで月18ドル)。上位プランは案内が分かれるため契約時に要確認
- AIノートの上限が実質の課金ライン。週3本の会議で月10本を超えるため、常用ならProが必要です
- クリップ機能が実用的。会議の一部を切り出して、関係者に短い動画で共有できます
- 録画の保存期間が無料では短く、長期の記録保管は有料前提です
tl;dvとは?基本情報
tl;dvは、会議を録画し、文字起こし・要約・アクションアイテムを自動で作るサービスです。Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsにはボットとして参加し、Webexなどボットを入れにくい会議ではデスクトップアプリで音声を直接録ります。録画から必要な場面を切り出してクリップとして共有でき、CRMへの転記やSlackへの通知も設定できます。
編集部が最初に確認したのは、無料プランの範囲です。録画と文字起こしは無制限、AIノートは月10会議、アップロードは月3件、録画の保存期間は3か月という構成でした。会議の記録を試すには十分すぎる枠ですが、AIノートの上限が実務では最初に当たります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | tl;dv(ドイツ) |
| 提供形態 | Webアプリ、Windows/macOS、iOS、Chrome拡張 |
| 主な用途 | 会議の録画、文字起こし、AIノート、クリップ共有、CRMへの記録転記 |
| 対応ツール | Zoom、Google Meet、Microsoft Teams(ボット参加)。その他はデスクトップアプリで録音 |
| 対応言語 | 40言語以上 |
| AI機能 | AIノート、Ask tl;dv(録画への質問)、複数会議をまたぐレポート、カスタムテンプレート |
| 無料プラン | あり(録画・文字起こし無制限、AIノート10会議/月、アップロード3件/月、保存3か月) |
| 連携 | HubSpot、Salesforce、Slack、Notion、Asana、ClickUp、Jira ほか5,000以上 |
| 料金 | 1席あたり月29ドル〜(年払いで月18ドル〜) |
会議の記録は、Otter.aiが台帳化、Fireflies.aiが多言語と検索、tl;dvは録画を切り出して共有する用途に寄っています。録った映像をそのまま字幕付きで配るならVEED.IOやCapCutが後工程を担います。
実際に使ってみた感想
録画が無料で残せる安心感が大きい
30分の商談を録画し、文字起こしと要約を確認しました。無料でも録画そのものが残るため、「まず録っておいて、必要なら後で課金する」という使い方ができます。録り直しができない商談や取材では、この安心感は大きいです。AIノートの上限に当たっても、録画と文字起こしは残るため、記録そのものを失わない設計になっています。
クリップの切り出しが実務で効く
60分の定例から、決定事項の部分だけを2分のクリップとして切り出し、欠席者に共有しました。全文を読ませるより速く、内容も正確に伝わります。編集部では、この使い方が定着してから「議事録を読まない人」が減りました。記録は読ませるより、見せるほうが伝わるという当たり前のことを実感しました。
AIノートの月10本はすぐ尽きる
週3本の定例を録ると月12本になり、無料枠の10本を超えます。編集部では2週目で上限に達し、以降は文字起こしだけを見る運用になりました。「録画は無料、要約は有料」という線引きを理解して契約を決めるのが正解です。
3つの場面で試した結果
tl;dvの価値が出るのは、録った記録を人に渡す場面です。1つ目は商談の録画で、話した箇所に印を付けて30秒のクリップとして切り出し、社内の担当者に送れます。文字起こしを読ませるより、判断の速さが違いました。2つ目は30分の社内定例で、AIノートが議題ごとに見出しを立てるため、欠席者のキャッチアップにそのまま使えます。3つ目は顧客へのフォローで、要点だけのハイライトリンクを送ると、相手が再生する時間を選べる点が好評でした。
一方で、無料プランの保存3か月は思ったより早く効きます。四半期の振り返りをしようとした時点で、期初の商談が消えているということが起きます。録画を資産として残す前提なら、Pro以上に上げるか、必要な回は書き出して別の場所に保管する運用が必要です。AIノートの月10本という枠も、定例が増えると足りなくなります。
チームに配るまでの手順
- ワークスペースを作り、カレンダーを連携する:GoogleカレンダーかMicrosoft 365を繋ぐと、会議のURLから自動で録画に入ります。まずは自分の会議だけで試します。
- 録画ボットの表示名と参加ルールを決める:参加者には「録画します」と分かる名前を設定し、社外の会議では事前に了承を取ります。録画しない会議の条件も決めておきます。
- AIノートの型を決める:議題・決定・宿題・次回の4項目に固定すると、チーム内で読み方が揃います。テンプレートを共有してから運用を始めてください。
- 共有と保存の範囲を設定する:ワークスペース外への共有を許可するか、リンクの有効期限をどうするかを管理者が決めます。無料枠の保存期間もここで確認します。
この順番で入れると、録画が個人のメモで終わらず、チームの記録として残ります。最初の1週間は共有範囲を狭くしておき、慣れてから広げるのが安全です。
tl;dvの良い点
- 無料でも録画と文字起こしが無制限。まず試すハードルが低いです
- クリップで必要な場面だけ共有できる。欠席者への連絡が短時間で済みます
- 40言語以上に対応。海外の相手との会議も記録できます
- CRMへの転記が自動化できる。商談ログの二重入力を減らせます
- ボットなしの録音に対応。外部参加者にアシスタントを見せたくない場面で使えます
- 複数会議をまたぐレポート。定例の推移をまとめて振り返れます
後工程をつなぐと効果が広がります。宿題のタスク化はClickUp、社内Wikiへの転記はNotion AI、定型通知はMakeやZapierが担当します。音声だけを文字にするならNotta、映像として配るならVEED.IOという分担も組みやすいです。
気になった点・導入前の注意点
- 無料のAIノートは月10会議まで。週3本の定例で月12本になり、すぐ上限に達します
- 無料の録画保存は3か月。長期の保管は有料プランが必要です
- アップロードは無料で月3件まで。過去の音源をまとめて処理できません
- 上位プランの価格表示が案内によって分かれており、契約画面での確認が必要です
- ボット参加型は、会議の設定によっては入室が拒否されることがあります
- 料金は米ドルの席課金です。日本円の請求額は為替と税金で変わります
とくに4点目は、見積もりがぶれる原因になります。「席数×単価×12か月」の総額を、契約画面で必ず確認してください。無料で試したうえで、必要な機能がAIノートだけならPro、CRM連携や複数会議の分析まで要るなら上位プラン、という順番で検討すると迷いません。
運用で効くのは録らない会議を決めることです。雑談や1on1まで自動で録ると、見返されない録画が溜まり、検索の邪魔になります。録画対象を「決議が発生する会議」に絞ると、AIノートの枠も節約できます。あわせて、共有リンクの有効期限と、外部ゲストがいる会議での告知文をテンプレート化しておくと、現場が迷いません。
tl;dvの料金プラン
プランは無料を含めて4段階で、いずれも1席あたりの料金です。年払いにすると負担が下がります。上位プランは提供時期によって案内が分かれるため、契約画面の表示を優先してください。
| プラン | 1席あたり月額 | 録画・AIノートの枠と主な違い |
|---|---|---|
| Free | 0ドル | 録画・文字起こし無制限、AIノート10会議/月、アップロード3件/月、保存3か月 |
| Pro | 月29ドル(年払いで月18ドル) | AIノート無制限、Ask tl;dv、複数会議レポート、録画の永久保存、書き出し、CRM連携、5,000以上の連携 |
| Business | 案内により異なる(年払いで月29〜59ドル) | Proに加えて、商談の分析、コーチング、話者インサイト、権限管理。契約画面で確認が必要です |
| Enterprise | 要問い合わせ | SSO、保存期間の指定、監査系の統制、専任担当、オンプレミスの選択肢 |
料金・上限・保存期間は変更されることがあります。上位プランの価格は公式サイト内でも案内が分かれているため、契約画面の総額を確認してください。表示は米ドルで、日本円での請求額は決済時の為替と税金で変わります。本記事は2026年10月時点で確認できた情報にもとづく整理です。
費用の目安です。5名のチームが週5本の会議を録ると月約20本、AIノートを全件に付けるなら無料枠の10本では足りません。Pro(年払いで月18ドル)を5席で契約すると月90ドルで、AIノートは無制限、保存も永続になります。まず2席だけProにして、録画の共有相手を中心に配る段階的な入れ方が、費用を抑えつつ効果を確かめられます。
Otter.ai・Fireflies.aiとの違い
議事録ツールは、録画の扱い、言語対応、無料枠の設計で性格が分かれます。会議の使い方に合わせて選ぶのが実用的です。
| 比較軸 | tl;dv | Otter.ai | Fireflies.ai |
|---|---|---|---|
| 無料の録画 | 無制限(保存3か月) | 不可(Business以上) | 不可(Pro以上) |
| 無料のAIノート | 月10会議 | 月300分・1会議30分 | 回数制限あり |
| 対応言語 | 40言語以上 | 6言語 | 100言語以上 |
| 強み | クリップ共有とCRM連携 | 会議をまたぐ検索 | 多言語と横断検索 |
| 料金の起点 | 年払いで月18ドル | 年払いで月8.33ドル | 年払いで月10ドル |
| 向く場面 | 録画を見せて共有したい | 日本語の定例を台帳化したい | 言語混在の会議を残したい |
判断の目安は「録画を残して見せるか、テキストで引くか」です。録画を切り出して共有する機会が多いならtl;dv、テキスト検索が中心ならOtter.aiやFireflies.aiが向きます。コストを最優先するなら、年払いの単価が最も低いOtter.aiが候補になります。
tl;dvはどんな人におすすめか
- まず無料で会議の記録を試し、必要になってから課金したいチーム
- 商談や取材の録画を、切り出して社内に共有する機会が多い
- CRMに商談ログを二重入力していて、転記を自動化したい
- 海外の相手との会議があり、40言語以上の文字起こしが要る
- 会議にボットを入れたくない場面があり、アプリ録音も使いたい
向かないのは、録画を何年も無料で残したい場面と、映像を本格的に編集したい場合です。無料枠は保存3か月のため、資産として残すなら有料プランか外部への書き出しが前提になります。細かいカット編集は専用の編集ソフトに任せ、tl;dvは「記録と共有」に絞るほうが強みが出ます。
判断の目安は、「録った記録を誰かに渡す回数」です。月に数回でも、クリップを送る相手がいるなら効果は大きいです。自分のメモ専用なら、文字起こしだけの軽いツールで足ります。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料プランだけで運用できますか?
A. 記録はできますが、AIノートが月10会議までなので、週3本の定例で月12本になり上限を超えます。録画と文字起こしは残るため、要約なしで運用するなら無料でも足ります。要約を常用するならProが必要です。
Q. 日本語の精度はどうですか?
A. 明瞭な音声なら実用範囲です。専門用語や社名は誤変換が出るため、カスタム語彙に登録して補正します。社外に出す文書は、人の目を通す前提で運用してください。
Q. 録画はどのくらい保存されますか?
A. 無料プランは3か月です。Pro以上では録画を永久に保存できます。過去の商談を長く参照したい場合は、保存期間を契約前に確認してください。
Q. 会議にボットを入れずに録音できますか?
A. デスクトップアプリで、端末の音声を直接録る方法があります。外部の相手にアシスタントを見せたくない場面で使えます。ただし録れる音声は端末に入ってくる音に限られるため、会議室の対面会議では別の録音機器が必要です。
Q. クリップはどうやって作りますか?
A. 録画のタイムラインから範囲を選び、共有リンクを作ります。文字起こしの該当行から範囲を指定する方法もあり、探す手間が少なくて済みます。作ったクリップはSlackやメールでそのまま送れます。
Q. 無料プランだけで運用できますか?
A. 録画と文字起こしは無料でも無制限ですが、AIノートが月10会議、保存が3か月、アップロードが月3件までです。個人が週1〜2本を振り返る用途なら足りますが、チームで共有し資産として残すならProが必要になります。
まとめ
tl;dvは、無料でも録画と文字起こしが無制限という太い枠を持つAI議事録ツールです。クリップの切り出しとCRM連携が実用的で、商談や取材の記録を「見せて伝える」用途に向いています。料金はProが年払いで月18ドル、AIノートは無料で月10会議までなので、週3本の定例を要約するなら早めに上限へ達します。上位プランは案内によって価格表示が分かれるため、契約画面で総額を確認してください。まず無料で録画と文字起こしを試し、要約を常用する段階でProに進む、という順番が無駄のない進め方です。基本情報はtl;dvの紹介ページにまとめています。
主な参照元:tl;dv公式サイト(料金ページ・機能一覧・ヘルプセンター)。料金と無料枠は2026年10月時点の情報です。
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