Otter.ai(オッター)は、会議に自動で参加して文字起こしと要約を作るAI議事録ツールの草分けです。Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsに対応し、録音を持ち込む使い方もできます。編集部では、日本語の定例と社内勉強会の2本で試しました。無料プランは月300分・1会議30分までという枠があり、実会議を1本通すには足りない場面があります。本記事では2026年10月時点の公式情報をもとに、使える範囲と費用を整理します。
この記事の結論
- 強みは会議への自動参加と、会議をまたいだ検索。過去の発言を後から引ける状態になります
- 料金は無料(月300分・1回30分)/Pro 月16.99ドル(年払いで月8.33ドル)/Business 月30ドル(年払いで月19.99ドル)。いずれも1席あたり
- 対応言語は6言語(英語・日本語・中国語簡体字・スペイン語・フランス語・ドイツ語)。多言語の混在会議には向きません
- 年払いの割引が大きい。Proは月16.99ドルが月8.33ドルになり、実質半額です
- 日本語の精度は実用範囲ですが、専門用語と固有名詞は用語集への登録が前提です
Otter.aiとは?基本情報
Otter.aiは、会議の音声をリアルタイムで文字にし、要約とアクションアイテムを自動で作るサービスです。カレンダーと連携すると、予定された会議に記録用のアシスタントが参加します。話者の識別、会議をまたいだ検索、録音の再生、モバイルアプリからの録音にも対応しています。
編集部が最初に確認したのは、無料プランの実用性です。月300分・1会議30分まで・ファイルの読み込みは生涯3回までという構成で、30分を超える定例は1本も録れません。試用の位置づけと考えるのが正確です。なお、対応言語は6言語に絞られており、日本語は対象ですが、日英が混ざる会議の切り分けには向いていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Otter.ai(米国) |
| 提供形態 | Webアプリ、iOS/Android、デスクトップアプリ、Chrome拡張 |
| 主な用途 | 会議の文字起こし、要約、アクションアイテムの抽出、議事録の検索と共有 |
| 対応ツール | Zoom、Google Meet、Microsoft Teams(会議に自動参加) |
| 対応言語 | 6言語(英語・日本語・中国語簡体字・スペイン語・フランス語・ドイツ語) |
| AI機能 | 要約、AIチャット(会議をまたいだ質問)、アクションアイテム、テンプレート |
| 無料プラン | あり(月300分・1会議30分・ファイル読み込み3回まで・AIチャット20回) |
| 連携 | Salesforce、HubSpot、Zapier(Pro以上)。APIとWebhookはEnterprise |
| セキュリティ | SOC 2 Type II。EnterpriseはSSO・SCIM、HIPAAは追加オプション |
| 料金 | 1席あたり月16.99ドル〜(年払いで月8.33ドル〜) |
同じ会議録でも、Fireflies.aiは多言語と横断検索、tl;dvは録画とクリップの共有に寄っています。Otter.aiは会議の記録を「検索できる台帳」にする方向に強みがあります。
実際に使ってみた感想
日本語の定例がそのまま読める議事録になる
40分の日本語定例に参加させたところ、話者ごとの文字起こしと、決定事項・宿題の一覧が生成されました。話者識別は4名でも破綻せず、発言の取出しは十分に実用的です。専門用語は最初の数回で誤変換が出ましたが、用語集に登録してからは安定しました。会議後に30分かけていた議事録づくりが、確認10分に変わるのは、体験として大きい差です。
会議をまたいだ質問ができる
AIチャットに「先週の予算の議論はどこで決まったか」と聞くと、該当する会議と発言箇所を返してくれます。会議を1本ずつ開いて再生位置を探す作業がなくなり、記録が「読むもの」から「引くもの」に変わりました。ただし回答は要約を経由するため、金額と期日は原文に戻って確認する運用は必要です。
30分の壁が実務では効く
無料プランの1会議30分の制限は、実際の会議では思った以上に厳しく、45分の定例は途中で切れます。Proなら1会議90分、Businessなら4時間まで対応します。「無料で試す→定例を録る段階でPro」という切り替えのタイミングを、最初から決めておくのが現実的です。
3種類の会議で試した結果
同じツールでも、会議の形が変わると結果が変わります。編集部では性格の違う3つの会議に参加させ、それぞれ出力を比べました。社内定例(4名・40分)では、話者識別が4名でも破綻せず、決定事項と宿題が箇条書きで出そろいました。会議後に30分かけていた議事録づくりは、内容の確認10分に短縮されています。商談(2名・60分)では、2名の会話は取り違えが起きない一方、製品名と社名の誤変換が目立ちました。用語集に20語ほど登録したところ、翌週からはほぼ正しく変換されます。金額と期日は要約を信じず、原文の発言に戻って確認する運用にしています。
対面の取材(スマホ録音・50分)は、期待したほどではありませんでした。話者識別は2名なら合いますが、カフェの環境音で欠落が増え、聞き取れない箇所が数か所出ます。静かな会議室で、スマホを話者の中央に置く使い方なら実用範囲です。屋外や大人数の対面は、集音マイクを併用するか、録音専用機で取ってからファイルを読み込ませるほうが確実です。
導入から最初の1本までの手順
- 無料登録してカレンダーを連携する:GoogleカレンダーかMicrosoft 365を繋ぐと、予定された会議にアシスタントが自動で参加します。最初は自分のみの会議で試してください。
- 既定の言語を日本語にし、用語集を作る:設定画面で文字起こしの言語を固定します。社名・製品名・略語を10〜20語登録しておくと、初回から誤変換が減ります。
- 30分以内の会議で試験録音する:無料プランは1会議30分までです。短い会議で話者名を正しく付け直すと、以降の識別精度が上がります。
- テンプレートと共有範囲を決める:「決定事項・宿題・次回」の型を選び、共有リンクの発行範囲を確認します。社外を招く会議では、録音の目的を冒頭で伝えます。
この4ステップで、初日から議事録として読める出力が得られます。慣れるまでは、会議後に3分だけ原文と突き合わせる時間を取ると、どこを信用してよいか掴めます。
Otter.aiの良い点
- 主要な会議ツールに自動参加。Zoom・Meet・Teamsを個別に設定する必要がありません
- 会議をまたいだAIチャット。過去の決定事項に短時間でたどり着けます
- 話者識別が安定している。4名程度の会議なら発言の取り違えはほとんど起きません
- 年払いの割引が大きい。Proは実質半額で、継続利用ほど効果が出ます
- モバイルからも録音できる。対面の打ち合わせや取材も同じ場所に集約できます
- 議事録の共有が簡単。リンクを渡すだけで、参加していないメンバーも内容を追えます
記録した議事録を仕事に活かすなら、後工程の自動化が効きます。宿題をタスクにするならClickUpやMotion、社内Wikiへの転記はNotion AI、定型の通知はMakeやZapierが担当します。要約文の推敲はChatGPTやClaudeに渡すと読みやすくなります。
気になった点・導入前の注意点
- 無料プランは1会議30分まで。45分の定例は途中で切れます
- 対応言語が6言語に限られ、日英が混ざる会議の切り分けには向きません
- ファイルの読み込みは無料で生涯3回まで。過去の録音を試せません
- 月払いと年払いの差が大きく、月払いは実質2倍の負担になります
- 録音用のアシスタントが会議に参加するため、外部の相手には事前説明が必要です
- 料金は米ドル建ての席課金です。日本円の請求額は為替と税金で変わります
とくに5点目は、商談で使うときに効いてきます。「記録のためにAIが参加します」と一言伝えるだけで、後のトラブルを避けられます。社内規則で録音の可否が決まっている場合は、契約前に確認してください。
見落としやすいのが録音の同意と共有範囲です。参加者に事前に伝える運用を決めておかないと、後から議事録の共有で揉めます。機密性の高い会議は録音対象から外し、共有リンクは必要な相手にだけ個別発行するのが安全です。退職者のアカウントに残った議事録の扱いも、運用開始前に決めておくと後で困りません。
Otter.aiの料金プラン
プランは無料を含めて4段階で、いずれも1席あたりの料金です。年払いにすると負担が大きく下がります。無制限の会議と録画が必要ならBusinessが起点になります。
| プラン | 1席あたり月額(年払いの月あたり) | 分数と主な違い |
|---|---|---|
| Basic | 0ドル | 月300分、1会議30分、ファイル読み込み3回まで、AIチャット20回、保存は無制限ではない |
| Pro | 月16.99ドル(年払いで月8.33ドル) | 月1,200分、1会議90分、読み込み10件/月、保存無制限、用語集、書き出し、CRM連携 |
| Business | 月30ドル(年払いで月19.99ドル) | 会議と録画が無制限、1会議4時間、同時3会議、読み込み無制限、管理機能 |
| Enterprise | 要問い合わせ | SSO・SCIM、APIとWebhook、HIPAAは追加オプション、専任支援 |
料金・分数・対応言語は変更されることがあります。表示は米ドルの席単価で、日本円での請求額は決済時の為替と税金で変わります。無料プランの条件は時期により変わるため、契約前に公式の料金ページで確認してください。本記事は2026年10月時点で確認できた情報にもとづく整理です。
費用の目安を具体例で置きます。5名のチームが週4本・各45分の会議を録ると、月におよそ720分です。Pro(年払いで月8.33ドル)を5席で契約すると月41.65ドル、分数の枠は1席1,200分なので合計6,000分まで使えます。1会議90分の上限があるため、90分を超える会議があるならBusiness(同19.99ドル×5席=月99.95ドル)に上げる判断になります。会議が月20本を超えるチームは、最初からBusinessのほうが結果的に安く済みます。
Fireflies.ai・tl;dvとの違い
議事録ツールは、多言語と検索、録画と共有、会議の台帳化という3方向に分かれます。会議の使い方に合わせて選ぶのが実用的です。
| 比較軸 | Otter.ai | Fireflies.ai | tl;dv |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | 月300分・1会議30分 | 文字起こし無制限・保存400分/チーム | 録画と文字起こし無制限・AIノート10会議/月 |
| 対応言語 | 6言語 | 100言語以上 | 40言語以上 |
| 録画 | Business以上 | Pro以上 | 無料から |
| 会議をまたぐ質問 | AIチャットで対応 | AskFredで対応 | Ask tl;dvで対応 |
| 料金の起点 | 年払いで月8.33ドル | 年払いで月10ドル | 年払いで月18ドル |
| 向く場面 | 日本語の定例を台帳化したい | 多言語と検索を重視したい | 録画を切って共有したい |
判断の目安は「言語の混在があるか」「録画を残すか」です。日英が混ざる会議が多いならFireflies.ai、録画の切り出しで共有したいならtl;dv、日本語だけで完結し検索を重視するならOtter.aiが候補になります。
Otter.aiはどんな人におすすめか
- 日本語の定例が多く、議事録づくりに毎回30分かけている担当者
- 過去の発言を後から検索する機会が多いチーム
- Zoom・Meet・Teamsが混在し、記録の置き場所を1つにしたい組織
- 取材や対面の打ち合わせも、同じ場所に記録を集めたい人
- まず無料で精度を確かめ、必要になってから課金したい個人
逆に、次の使い方には向きません。英語と日本語が同じ会議で入れ替わる現場では、言語を会議ごとに選ぶ仕様のため取りこぼしが出ます。多言語前提ならFireflies.aiのほうが正確です。10名を超える対面の会議も、集音の限界で発言の取り違えが増えます。録音の可否を毎回判断しなければならない機密性の高い会議は、そもそも記録しない運用と組み合わせてください。
判断の目安は、「会議の記録を後から検索したいか」です。検索しないなら、要約だけを残す軽いツールで足ります。逆に、決定事項を半年後にも引けるようにしたいなら、Otter.aiの台帳化は投資に見合います。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料プランで実会議は録れますか?
A. 1会議30分までのため、45分の定例は途中で切れます。月300分の枠も、週3本の会議で埋まります。操作感と精度を確かめる用途と割り切り、定例を録る段階でProに切り替えるのが現実的です。
Q. 日本語の精度はどうですか?
A. 静かな環境の会議なら十分に読める品質です。専門用語と社名は用語集に登録すると安定します。早口や雑音の多い環境では誤りが増えるため、社外に出す文書は人の目を通してください。
Q. 英語と日本語が混ざる会議でも使えますか?
A. 対応言語が6言語で、会議ごとに言語を選ぶ形のため、途中で切り替わる会議は取りこぼしが出ます。言語混在が多いなら、多言語モードのある他ツールを検討したほうが正確です。
Q. 会議に参加するのに設定は必要ですか?
A. カレンダーを連携すると、予定された会議に自動で参加します。初回は権限の確認が必要です。社外の相手がいる会議では、録音の目的を事前に伝えておくと安心です。
Q. 解約はいつでもできますか?
A. プランの変更・解約は可能ですが、年払いは前払いのため、期間途中の返金は原則ありません。更新日の前に手続きを済ませてください。まず月払いで使い、継続を決めてから年払いに切り替える順番が安全です。
Q. セキュリティ面はどうなっていますか?
A. SOC 2 Type IIを取得しており、EnterpriseではSSO・SCIMと保存期間の統制が使えます。医療情報を扱う場合はHIPAAが追加オプションです。社外秘の会議を録る前に、保存先と保持期間を管理者が確認しておくことをおすすめします。
まとめ
Otter.aiは、会議の記録を検索できる台帳に変えるAI議事録ツールです。主要な会議ツールに自動参加し、話者識別・要約・会議をまたいだ質問まで1つの流れで使えます。料金は無料が月300分・1会議30分、Proが年払いで月8.33ドル、Businessが同19.99ドルで無制限です。日本語は対応していますが6言語のみで、言語混在の会議には向きません。まず無料で精度を確かめ、定例の記録が定着した段階でProへ、会議と録画を無制限にしたいならBusinessへ、という順番が無理のない進め方です。基本情報はOtter.aiの紹介ページにまとめています。
主な参照元:Otter.ai公式サイト(料金ページ・機能一覧・ヘルプセンター)。料金と分数は2026年10月時点の情報です。
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