Fireflies.ai(ファイアフライズ)は、会議に記録用のアシスタントを参加させ、文字起こしと要約を自動で残すAI議事録ツールです。Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsなど10以上の会議ツールに対応し、100言語以上の文字起こしができます。編集部では、日本語の定例と、英語が混ざる打ち合わせの2種類で試しました。無料プランは文字起こし無制限と太っ腹に見えますが、保存が400分/チーム、AIクレジットが20という枠があり、実務では有料プランが前提になります。本記事では2026年10月時点の公式情報をもとに、使える範囲と費用を整理します。
この記事の結論
- 強みは会議の記録・要約・共有が1つの流れになること。録音を聞き返す作業がほぼなくなります
- 料金は無料(保存400分/チーム・AIクレジット20)/Pro 月18ドル(年払いで月10ドル)/Business 月29ドル(年払いで月19ドル)/Enterprise 月39ドル(年払いのみ)。いずれも1席あたり
- 無料プランは文字起こし自体は無制限ですが、保存分数とAI要約の回数で実質的に制限されます
- AskFredに議事録を質問できるのが実用的。「先週の決定事項は?」を会議をまたいで探せます
- 日本語の精度は実用範囲ですが、専門用語と固有名詞は用語集への登録が前提。社外文書は人の目を通してください
Fireflies.aiとは?基本情報
Fireflies.aiは、会議の音声を記録して文字起こしと要約を作るAI議事録サービスです。カレンダーと連携すると、予定された会議に記録用のアシスタントが自動で参加します。会議にボットを入れずに、Chrome拡張から自分の音声だけを録る使い方もできます。録音済みのファイルをアップロードして文字起こしする使い方にも対応しています。
編集部が最初に確認したのは、無料プランの実際の使い勝手です。文字起こしは無制限ですが、保存は400分/チーム、AIクレジットは20という枠があります。1回の録音は2時間までです。会議1本が45分なら、チームで9本ほど保存した時点で枠が埋まります。試用には足りますが、継続利用にはPro以上が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Fireflies.ai |
| 提供形態 | Webアプリ、iOS/Androidアプリ、デスクトップアプリ、Chrome拡張 |
| 主な用途 | 会議の文字起こし、AI要約、アクションアイテムの抽出、議事録の検索と共有 |
| 対応ツール | Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Webex ほか10以上 |
| 対応言語 | 100言語以上の文字起こし。Business以上で多言語モード |
| AI機能 | AI要約、AskFred(議事録への質問)、アクションアイテム、トピック追跡、感情分析(上位プラン) |
| 無料プラン | あり(文字起こし無制限・保存400分/チーム・AIクレジット20・録音2時間まで) |
| 連携 | CRM・タスク管理・チャットなど主要サービス。APIは全プランで利用可(回数制限あり) |
| セキュリティ | SOC 2 Type II、GDPR。EnterpriseはSSO・SCIM・監査ログ・HIPAA対応 |
| 料金 | 1席あたり月18ドル〜(年払いで月10ドル〜) |
同じ会議の記録でも、Nottaは日本語の議事録づくりに寄り、tl;dvは録画の共有とクリップに寄っています。Fireflies.aiは会議をまたいで検索できることが持ち味で、過去の決定事項を探す用途に向いています。
編集部が試したのは、40分の日本語定例と、15分の英語商談の2本です。定例では話者4名の切り分けが正しく入り、決定事項が3件、宿題が5件抽出されました。商談のほうは英語の専門用語が一部誤変換されましたが、要点の把握には支障がない水準でした。会議の種類によって精度が変わるため、いきなり全社展開せず、まず1つの定例で試すのが安全です。録音環境(マイクの本数、話す速度、資料の共有有無)で結果が変わることも、先に把握しておきたい点です。
実際に使ってみた感想
日本語の定例がそのまま議事録になる
編集部では、40分ほどの日本語の定例にアシスタントを参加させました。会議が終わると、話者ごとの文字起こしと、要点・決定事項・宿題が箇条書きになった要約が生成されます。録音を聞き返しながら議事録を書く作業がなくなると、会議後の30分の使い方が変わります。話者の切り分けが入っているため、「誰が言ったか」を拾い直す手間もありません。用語集に社内の専門用語を登録しておくと、表記の揺れが減りました。
AskFredで「先週の決定」を探せる
いちばん便利だったのは、議事録そのものに質問できる点です。「先月の予算の議論はどこで決まったか」と聞くと、該当する会議と発言箇所を返してくれます。会議を1本ずつ開いて再生位置を探す作業がなくなり、記録が「読むもの」から「引くもの」に変わる感覚がありました。ただし回答は要約を経由しているため、金額や期日は原文の該当箇所に戻って確認する運用にしています。
英語混在の会議は多言語モードで精度が変わる
英語が混ざる打ち合わせも試しました。無料・Proでは会議ごとに言語を選ぶ形になり、途中で言語が切り替わると取りこぼしが出ます。多言語モードはBusiness以上で、日英が混在する会議でも言語ごとに切り分けて表示されました。海外の相手との定例が多いチームは、Business以上を前提に考えたほうが正確です。ここは料金差がそのまま精度差になる部分なので、契約前に自社の会議で試してください。
共有の設計で、議事録が「読まれる」ようになる
議事録は作っても読まれなければ意味がありません。Fireflies.aiは、会議ごとにチャンネルを作って関係者に配る形にできるため、開催した会議の記録が1か所に溜まります。編集部では、定例の記録をプロジェクトごとのチャンネルに集約し、新しいメンバーが過去の経緯をたどれる状態を作りました。「探せば出てくる」状態になると、同じ質問が会議で繰り返されなくなります。この効果は、議事録の精度そのものより大きいことがあります。
Fireflies.aiの良い点
- 会議への自動参加。カレンダー連携で、予定どおりに記録が始まります
- 会議をまたいだ検索とAskFred。過去の決定事項に、会議を開かずたどり着けます
- 100言語以上の文字起こし。多言語モードなら言語混在の会議も切り分けられます
- アクションアイテムの抽出。宿題が担当者付きで並ぶため、次の会議の頭出しが速くなります
- CRMやタスク管理への連携。議事録をコピーせずに、商談ログへ流し込めます
- ボットなしで録音できる。Chrome拡張を使えば、外部参加者に見えない形で記録できます
議事録を起点に、後工程を自動化すると効果が広がります。宿題をタスクに起こすならClickUp、議事録の要約を社内Wikiに流すならMakeやZapier、文書の整形はNotion AIが担当する分担が組みやすいです。数字の集計が絡む会議ならJulius AI、下書き作成はChatGPTやClaudeに渡せます。文字起こしツールの比較はNottaのレビューも参考にしてください。
アクションアイテムをタスクに起こすところまで自動化すると、議事録は「記録」から「進行表」に変わります。宿題をClickUpやMotionのタスクに流し、期限を切っておけば、次の会議は前回の宿題の確認から始められます。記録・共有・実行が1本の線でつながると、会議そのものの時間も短くなります。議事録を社内Wikiの形で残すならNotion AI、定型の通知はMakeやZapierが担当します。
気になった点・導入前の注意点
- 無料プランは保存400分/チームとAIクレジット20。会議1本45分なら数本で枠が埋まります
- AIクレジットは要約や高度な機能で消費します。使い方によっては足りなくなります
- 多言語モードはBusiness以上。言語混在の会議はProでは取りこぼしが出ます
- 日本語の専門用語は用語集への登録が必要。未登録だと表記が揺れます
- 雑音の多い環境や早口の会議では誤認識が増え、手直しの前提が必要です
- 料金は米ドル建ての席課金です。日本円の請求額は為替と税金で変わり、席数分の費用がかかります
見落としやすいのは6点目です。席数分の費用がかかるため、全員に配るのではなく「記録係を決めて共有する」運用のほうが費用対効果は高くなります。閲覧だけなら録音を持たない席でも議事録は読めるため、まずは記録する席を絞るところから始めてください。
権限まわりも確認しておきたい項目です。議事録には人事や契約の話題が含まれることがあり、共有範囲を誤ると事故になります。Business以上ではユーザーグループや公開範囲の設定が細かくできるため、部署をまたぐ運用では上位プランを選ぶ理由になります。「誰が録音し、誰が読めるか」を契約前に決めておくのが、導入後にトラブルを避ける近道です。
Fireflies.aiの料金プラン
プランは無料を含めて4段階で、いずれも1席あたりの料金です。年払いにすると月あたりの負担が大きく下がります。Enterpriseは年払いのみの提供です。
| プラン | 1席あたり月額(年払いの月あたり) | 保存枠と主な違い |
|---|---|---|
| Free | 0ドル | 文字起こし無制限、AI要約は回数制限あり、保存400分/チーム、AIクレジット20、録音2時間、書き出し不可 |
| Pro | 月18ドル(年払いで月10ドル) | 保存8,000分/席、AI要約無制限、AIクレジット20、録画720p、書き出し、パーソナルアシスタント、連携無制限 |
| Business | 月29ドル(年払いで月19ドル) | 保存無制限、AIクレジット30、録画1080p、多言語モード、会話インテリジェンス、チーム分析、ユーザーグループ |
| Enterprise | 月39ドル(年払いのみ) | AIクレジット50、ルールエンジン、SSO+SCIM、監査ログ、HIPAA対応、保存先の指定、専任担当 |
料金・保存枠・AIクレジットは変更されることがあります。表示は米ドルの席単価で、日本円での請求額は決済時の為替と税金で変わります。年払いの割引率はプランによって異なります。本記事は2026年10月時点で確認できた公式情報にもとづく整理です。
席数の考え方を、3つの利用像で試算します。①録音するのが1人だけなら、Proを1席(年払いで月10ドル)契約し、他のメンバーは共有で読む形が最小構成です。②定例が多く録音役を2人置くなら、Pro2席で月20ドル。③全員が自分の会議を録音する5人チームなら、Business5席で月95ドルになります。全員に配る前に「録音するのは誰か」を決めるだけで、費用は半分以下になることが多いです。
Notta・tl;dvとの違い
議事録ツールは、日本語の精度に寄るもの、録画の共有に寄るもの、検索と定着に寄るものに分かれます。会議の使い方に合わせて選ぶのが実用的です。
| 比較軸 | Fireflies.ai | Notta | tl;dv |
|---|---|---|---|
| 無料プランの考え方 | 文字起こし無制限+保存400分/チーム | 月120分・1回3分まで | 録画の視聴と限定機能が中心 |
| 会議をまたぐ検索 | AskFredで横断的に質問できる | 会議単位の検索が中心 | 録画のクリップ共有が中心 |
| 多言語 | 100言語以上。混在会議はBusiness以上 | 58言語。バイリンガル出力は追加オプション | 主要言語に対応 |
| 録画 | Pro以上(720p/Businessは1080p) | 音声中心 | 録画とクリップに強い |
| 席課金 | 1席あたり(Proで月10ドル〜) | 1席あたり(Proで月13.99ドル) | 無料枠が広い |
| 向く場面 | 過去の決定事項を横断して探したい | 日本語の議事録をきれいに作りたい | 録画を切り出して共有したい |
判断の目安は「記録を後から引くか、録画を見せるか」です。決定事項を後から探す機会が多いならFireflies.ai、日本語の読みやすさを優先するならNotta、録画の切り出しと共有が中心ならtl;dvが向きます。会議の記録をそのままタスク化したい場合は、ClickUpやMotionとの連携を前提に選ぶと後工程が軽くなります。
もう1つの判断軸は、録画を残すかどうかです。音声とテキストだけで足りる会議が多いなら、録画機能の有無で料金を上げる必要はありません。研修や操作説明のように「見せる」必要がある会議が混ざるなら、録画とクリップの機能があるツールを選んだほうが、後から動画を撮り直す手間が減ります。会議を「記録する対象」と「教材になる対象」に分けて考えると、プランの選び方が整理できます。
Fireflies.aiはどんな人におすすめか
- 定例が多く、議事録づくりに毎回30分以上かけている担当者
- 過去の決定事項を、会議をまたいで探す機会が多いチーム
- 海外の相手との会議があり、日英が混ざる場面を正確に残したい
- 商談の記録をCRMに流し込み、引き継ぎを楽にしたい営業組織
- 監査や情報管理の前提を確認したうえでAI議事録を導入したい企業
導入前に確認しておきたいのは、次の5点です。
- 録音する会議は月に何本、合計何分か(保存枠が足りるかを先に計算します)
- 言語が混ざる会議があるか(あればBusiness以上が前提になります)
- 録音するのは誰か(席数を絞れば費用は大きく下がります)
- 議事録の保存先と共有範囲を、社内規則で説明できるか
- 要約をどの会議で使うか(AIクレジットの消費はここで決まります)
導入は、次の4段階で進めると社内の合意を取りやすくなります。
- 1つの定例だけで試す:参加者が固定された会議を選び、無料プランで記録します。比較対象があると精度の判断がしやすくなります。
- 用語集を育てる:社名・製品名・専門用語を登録します。初回の誤変換を拾って登録するだけで、2回目以降の修正が減ります。
- 共有の形を決める:誰が録音し、誰が読むかを決めます。録音する席を絞れば費用も抑えられます。
- 議事録を次の行動につなげる:宿題をタスク管理ツールに流すところまで決めると、議事録が実際に使われます。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料プランだけで運用できますか?
A. 継続運用は難しいです。文字起こし自体は無制限ですが、保存が400分/チーム、AIクレジットが20という枠があり、会議1本45分なら数本で埋まります。まず無料で精度を確かめ、定例を記録する段階でProの年払いに切り替える進め方が現実的です。
Q. 日本語の文字起こし精度はどうですか?
A. 静かな環境の会議なら十分に読める品質でした。専門用語や社名は用語集に登録すると表記が安定します。早口や雑音の多い環境では誤りが増えるため、社外に出す文書は人の目を通す前提で運用してください。
Q. 会議にボットを入れたくない場合は?
A. Chrome拡張を使えば、会議にアシスタントを参加させずに自分の音声を録音できます。ただし録れるのは自分の音声が中心になるため、相手の発言も残したい場合は通常の参加型を使ってください。録音済みファイルのアップロードにも対応しています。
Q. AIクレジットは何に使われますか?
A. 要約の生成や高度なAI機能の実行で消費します。無料は20、Proは20、Businessは30、Enterpriseは50が目安として示されています。要約を毎回の会議で使うと消費が速いため、必要な会議だけ要約を回す設定にすると枠を持ちます。
Q. 席は全員分必要ですか?
A. 必須ではありません。録音する席だけ契約し、他のメンバーは共有された議事録を読む運用にすれば費用を抑えられます。ただし録音する席を固定すると、その人が不在の会議が記録されません。記録係を2名にしておくと抜けが出にくくなります。
Q. 録音したデータはどこに保存されますか?
A. クラウド上に保存され、プランによって保存先の指定や保持期間の設定ができます。Enterpriseでは保存先の指定と監査ログが用意されています。社内規則で保存場所が決まっている場合は、契約前に公式のセキュリティ資料を取り寄せ、情シスの確認を通しておいてください。
