Tree of Thoughts(思考の木)|AI 用語辞典
用語辞典 / プロンプト・活用

Tree of Thoughts(思考の木)Tree of Thoughts — 読み:つりーおぶそーつ

Tree of Thoughts(思考の木、以下 ToT)は、言語モデルに答えを1本の筋道で書かせるのではなく、途中の思考を複数の枝に分けて出させ、それぞれを評価しながら進む推論の枠組みです。行き止まりと分かった枝は捨てて、前の分かれ目に戻れます。このページでは、手順・出典・向き不向き・FAQ をまとめます。

分類:プロンプト・活用タイプ:概念型(理解用プロンプト 3 本)更新:2026年10月28日出典付き:はい
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導入Introduction

Tree of Thoughts(思考の木、以下 ToT)は、言語モデルに答えを1本の筋道で書かせるのではなく、途中の思考を複数の枝に分けて出させ、それぞれを評価しながら進む推論の枠組みです。行き止まりと分かった枝は捨てて、前の分かれ目に戻れます。このページでは、手順・出典・向き不向き・FAQ をまとめます。

このページの使い方:定義と仕組みで概念を掴み、プロンプト集で実務に落とし込み、FAQ で細部を確認できます。関連用語のリンクで、必要な範囲だけをたどって学べます。
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用語の定義Definition

Tree of Thoughts(思考の木、以下 ToT)は、言語モデルに答えを1本の筋道で書かせるのではなく、途中の思考を複数の枝に分けて出させ、それぞれを評価しながら進む推論の枠組みです。行き止まりと分かった枝は捨てて、前の分かれ目に戻れます。このページでは、手順・出典・向き不向き・FAQ をまとめます。

  • 途中の思考を「ひとまとまりの文章」として切り出し、その単位で分岐させる
  • 複数の候補を出させ、モデル自身か外部の判定で点数を付けてから次へ進む
  • 見込みのない枝を打ち切り、必要なら前の分岐点まで戻って別の枝を試す
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仕組み・原理How it works

① 思考の単位を決める

ToT は、トークン1個ずつではなく、意味のまとまった思考の単位で探索します。論文はこれを「思考(thoughts)」と呼び、問題解決へ向かう中間の手順として扱います。単位の大きさは課題によって変わり、数式1行のこともあれば、短い作業メモのこともあります。単位を決めないまま分岐させると、枝の違いが読み取れなくなります。

② 分岐させて候補を並べる

1つの分かれ目で、次の一手を複数出させます。論文は、この候補の出し方を「思考の生成」として整理しています。同じ指示を繰り返して違う案を出させる方法と、1回の応答で複数案を並べさせる方法があります。候補の数だけ探索の幅が広がりますが、そのぶん判定の回数も増えます。

③ 枝を評価して絞る

出した候補に点数を付け、先へ進めるものを選びます。論文は、この評価の仕方として、候補を独立に点数付けする方法と、候補どうしを比べて優劣を付ける方法を挙げています。評価はモデル自身に書かせることも、決めた基準で機械的に採点することもできます。どちらにするかを先に決めておかないと、回ごとに基準が揺れます。

④ 行き止まりで戻る

どの枝も評価が伸びない場合、その分岐点まで戻り、別の候補を試します。論文は、先の見通しを立ててから進むこと(lookahead)と、行き止まりから戻ること(backtracking)を、ToT の特徴として挙げています。分岐の記録を残しておかないと、戻る先が分からなくなります。探索の打ち切り条件は、深さ、候補数、評価の下限のいずれかで決めます。

1思考を切り出す途中の一歩を文章の単位でまとめる2候補を複数出す同じ分かれ目で案を並べる3点数を付ける単独採点か、候補どうしの比較か4枝を選ぶ上位だけを先へ進める5行き止まりで戻る分岐の記録を使って別の枝へ
ToT は「分ける・並べる・評価する・戻る」を組み合わせた探索になる
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原始出處Origin

ToT は、2023年5月に公開された論文「Tree of Thoughts: Deliberate Problem Solving with Large Language Models」で提案された推論の枠組みです。論文は、言語モデルが推論時にトークンを左から右へ1つずつ決めていく形に縛られている点を課題として挙げています。そのため、探索や先読みが必要な課題、最初の判断が結果を大きく左右する課題では、取りこぼしが起きると説明しています。ToT はこの制約に対して、Chain-of-Thought を一般化し、思考の単位で探索できるようにする枠組みとして位置づけられています。論文では、計画や探索を要する3つの課題(Game of 24、Creative Writing、Mini Crosswords)で実験を行ったと報告しています。抄録には、Game of 24 で GPT-4 に Chain-of-Thought を与えた場合は 4パーセントしか解けなかったのに対し、この手法では 74パーセントの成功率だったと書かれています。この数値は論文の実験条件での報告であり、手元の業務にそのまま当てはまるものではありません。

  • Yao ほか「Tree of Thoughts: Deliberate Problem Solving with Large Language Models」(arXiv:2305.10601、2023年5月17日公開、2026年10月28日参照)
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応用シーンUse cases

手順の抜けが許されない作業

候補を並べてから選ぶため、1本道の抜けに気づきやすい

設計案の比較

複数案を同じ基準で並べ、選んだ理由を残せる

原因究明の切り分け

見込みのない仮説を打ち切って別の枝へ移れる

長い計算や推論の下書き

途中の一歩を確認しながら進められる

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メリット・デメリットPros & Cons

メリット

  • 1本道の推論より、途中の分岐を明示的に扱える
  • 候補と評価を記録に残せるため、判断の理由を後から確認できる
  • 行き止まりから戻る手順を、あらかじめ組み込める

デメリット・注意点

  • 候補の数だけ呼び出しが増え、待ち時間と費用が膨らむ
  • 評価の基準が曖昧だと、枝の選択が回ごとに変わる
  • 分岐の記録を残さないと、戻る先が分からずやり直しになる
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よくある誤解Misconceptions

ToT を使えば、難しい課題も解けるようになる
論文が示したのは、探索と評価を組み込むと成績が上がるという結果です。評価の基準が課題に合っていなければ、枝の選択は良くなりません。
枝を増やすほど良い答えに近づく
候補を増やすと、評価の回数も増えます。判定が粗いまま数を増やすと、誤った枝を上位に残す確率も上がります。
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関連用語Related terms

用語同士は相互リンクされています。未掲載の用語は用語一覧の該当項目へリンクします。

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プロンプト集Prompt collection

実務でそのまま使えるプロンプト例です。コピーして〔 〕内を置き換えてください。同じカードはプロンプト集にも掲載されています。

Tree of Thoughts

3つの案を出してから選ぶ

文章作成

次の依頼に対して、途中の進め方が異なる案を3つ出してください。
依頼:〔解決したい課題を1文で〕

各案は「①最初の一歩 ②2番目の一歩 ③完了の条件」の3行で書いてください。
そのうえで、3案を「手戻りの少なさ」「必要な情報の入手しやすさ」の2軸で比べ、表にしてください。選んだ案と、選ばなかった理由も1文ずつ添えてください。
Tree of Thoughts

行き止まりを先に決める

品質管理

これから取り組む作業について、途中で打ち切る条件を先に決めたいと思います。
作業:〔作業の内容〕

「この状態になったら、この進め方は捨てる」という条件を3つ挙げてください。各条件は、観測できる事実だけで判定できる書き方にしてください。あわせて、打ち切ったあとに戻る地点を1つ指定してください。
Tree of Thoughts

評価の観点を固定する

業務効率化

複数の案を比べるときの評価基準を作ります。
対象:〔比べる対象〕

観点を4つに絞り、それぞれについて「5段階の5」「5段階の3」「5段階の1」の状態を1行ずつ書いてください。
主観が入る観点は、判断に使う事実を添えてください。4観点の重みも指定してください。
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FAQ(よくある質問)FAQ

Chain-of-Thought と何が違いますか?
Chain-of-Thought は、途中の筋道を1本書かせる方法です。ToT は、その途中の一歩を複数に分け、評価して選ぶ工程を加えます。論文は ToT を Chain-of-Thought の一般化として位置づけています。
1回のプロンプトで再現できますか?
1回の応答で複数案を並べさせるところまでは再現できます。評価して選び直し、行き止まりから戻る部分は、複数回の呼び出しと、分岐を記録する仕組みが必要になります。
向かない課題はありますか?
答えが1つに決まっていて、途中の分岐が意味を持たない課題では、候補を増やすぶんの手間だけが残ります。言い換えの選択のように、正解が読む人によって変わる課題も、評価が定まりません。
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出典・参考文献References

出典:次の一次資料を参照しました(参照日 2026年10月28日)。リンクは貼らず、媒体名と資料名のみを記します。

  • Yao ほか「Tree of Thoughts: Deliberate Problem Solving with Large Language Models」(arXiv:2305.10601、2023年5月17日公開、2026年10月28日参照)

定義・出典の記述は一次資料に基づきます。リンク先の内容は公開時点のものです。

学習ルート:はじめての方は チュートリアル「はじめての LLM 活用」 から読み、用語の意味を引くときは 用語一覧、そのまま使える例文は プロンプト集、実務の手順は ガイド一覧、道具を探すときは AI ツール一覧 を参照してください。
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まとめSummary

ToT は、言語モデルの推論を、思考の単位での探索として組み直す枠組みです。候補を複数出し、評価して絞り、行き止まりでは前の分岐点に戻ります。論文は計画や探索を要する3つの課題で効果を報告し、Game of 24 では Chain-of-Thought の 4パーセントに対し 74パーセントの成功率だったとしています。呼び出し回数が増えるため、評価基準と打ち切り条件を先に決める必要があります。

  • 思考を単位に分け、候補を並べて評価しながら進む
  • 行き止まりから戻る工程を、あらかじめ組み込む
  • 候補を増やすほど費用も増えるため、評価基準の設計が要になる

次はチュートリアルで手を動かす

3案を並べて1つに絞る:ToT の探索を手元の課題で回すステップ — 所要 15〜30 分程度の実践形式です。

チュートリアルを開く →

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