Tree of Thoughts(思考の木、以下 ToT)は、言語モデルに答えを1本の筋道で書かせるのではなく、途中の思考を複数の枝に分けて出させ、それぞれを評価しながら進む推論の枠組みです。行き止まりと分かった枝は捨てて、前の分かれ目に戻れます。このページでは、手順・出典・向き不向き・FAQ をまとめます。
Tree of Thoughts(思考の木、以下 ToT)は、言語モデルに答えを1本の筋道で書かせるのではなく、途中の思考を複数の枝に分けて出させ、それぞれを評価しながら進む推論の枠組みです。行き止まりと分かった枝は捨てて、前の分かれ目に戻れます。このページでは、手順・出典・向き不向き・FAQ をまとめます。
Tree of Thoughts(思考の木、以下 ToT)は、言語モデルに答えを1本の筋道で書かせるのではなく、途中の思考を複数の枝に分けて出させ、それぞれを評価しながら進む推論の枠組みです。行き止まりと分かった枝は捨てて、前の分かれ目に戻れます。このページでは、手順・出典・向き不向き・FAQ をまとめます。
ToT は、トークン1個ずつではなく、意味のまとまった思考の単位で探索します。論文はこれを「思考(thoughts)」と呼び、問題解決へ向かう中間の手順として扱います。単位の大きさは課題によって変わり、数式1行のこともあれば、短い作業メモのこともあります。単位を決めないまま分岐させると、枝の違いが読み取れなくなります。
1つの分かれ目で、次の一手を複数出させます。論文は、この候補の出し方を「思考の生成」として整理しています。同じ指示を繰り返して違う案を出させる方法と、1回の応答で複数案を並べさせる方法があります。候補の数だけ探索の幅が広がりますが、そのぶん判定の回数も増えます。
出した候補に点数を付け、先へ進めるものを選びます。論文は、この評価の仕方として、候補を独立に点数付けする方法と、候補どうしを比べて優劣を付ける方法を挙げています。評価はモデル自身に書かせることも、決めた基準で機械的に採点することもできます。どちらにするかを先に決めておかないと、回ごとに基準が揺れます。
どの枝も評価が伸びない場合、その分岐点まで戻り、別の候補を試します。論文は、先の見通しを立ててから進むこと(lookahead)と、行き止まりから戻ること(backtracking)を、ToT の特徴として挙げています。分岐の記録を残しておかないと、戻る先が分からなくなります。探索の打ち切り条件は、深さ、候補数、評価の下限のいずれかで決めます。
ToT は、2023年5月に公開された論文「Tree of Thoughts: Deliberate Problem Solving with Large Language Models」で提案された推論の枠組みです。論文は、言語モデルが推論時にトークンを左から右へ1つずつ決めていく形に縛られている点を課題として挙げています。そのため、探索や先読みが必要な課題、最初の判断が結果を大きく左右する課題では、取りこぼしが起きると説明しています。ToT はこの制約に対して、Chain-of-Thought を一般化し、思考の単位で探索できるようにする枠組みとして位置づけられています。論文では、計画や探索を要する3つの課題(Game of 24、Creative Writing、Mini Crosswords)で実験を行ったと報告しています。抄録には、Game of 24 で GPT-4 に Chain-of-Thought を与えた場合は 4パーセントしか解けなかったのに対し、この手法では 74パーセントの成功率だったと書かれています。この数値は論文の実験条件での報告であり、手元の業務にそのまま当てはまるものではありません。
候補を並べてから選ぶため、1本道の抜けに気づきやすい
複数案を同じ基準で並べ、選んだ理由を残せる
見込みのない仮説を打ち切って別の枝へ移れる
途中の一歩を確認しながら進められる
用語同士は相互リンクされています。未掲載の用語は用語一覧の該当項目へリンクします。
実務でそのまま使えるプロンプト例です。コピーして〔 〕内を置き換えてください。同じカードはプロンプト集にも掲載されています。
文章作成
次の依頼に対して、途中の進め方が異なる案を3つ出してください。 依頼:〔解決したい課題を1文で〕 各案は「①最初の一歩 ②2番目の一歩 ③完了の条件」の3行で書いてください。 そのうえで、3案を「手戻りの少なさ」「必要な情報の入手しやすさ」の2軸で比べ、表にしてください。選んだ案と、選ばなかった理由も1文ずつ添えてください。
品質管理
これから取り組む作業について、途中で打ち切る条件を先に決めたいと思います。 作業:〔作業の内容〕 「この状態になったら、この進め方は捨てる」という条件を3つ挙げてください。各条件は、観測できる事実だけで判定できる書き方にしてください。あわせて、打ち切ったあとに戻る地点を1つ指定してください。
業務効率化
複数の案を比べるときの評価基準を作ります。 対象:〔比べる対象〕 観点を4つに絞り、それぞれについて「5段階の5」「5段階の3」「5段階の1」の状態を1行ずつ書いてください。 主観が入る観点は、判断に使う事実を添えてください。4観点の重みも指定してください。
出典:次の一次資料を参照しました(参照日 2026年10月28日)。リンクは貼らず、媒体名と資料名のみを記します。
定義・出典の記述は一次資料に基づきます。リンク先の内容は公開時点のものです。
ToT は、言語モデルの推論を、思考の単位での探索として組み直す枠組みです。候補を複数出し、評価して絞り、行き止まりでは前の分岐点に戻ります。論文は計画や探索を要する3つの課題で効果を報告し、Game of 24 では Chain-of-Thought の 4パーセントに対し 74パーセントの成功率だったとしています。呼び出し回数が増えるため、評価基準と打ち切り条件を先に決める必要があります。