Chain-of-Thought(思考の連鎖、CoT)は、AIに答えだけを求めず、結論に至るまでの考え方や計算の手順を順を追って書かせるプロンプト手法です。文章題・計算・論理推論のように手順が複数必要な問題で、正答率が大
Chain-of-Thought(思考の連鎖、CoT)は、AI に答えだけを求めず、結論に至るまでの考え方や計算の手順を順を追って書かせるプロンプト手法です。文章題・計算・論理推論のように手順が複数必要な問題で、正答率が大きく上がることが報告されています。特別な学習や専用ツールは不要で、指示文に一言加えるだけで試せる点が実務的です。このページでは、定義・仕組み・出典・活用例・プロンプト例・FAQ をまとめて解説します。
通常は「質問 → 答え」の 1 段で答えさせますが、CoT では「質問 → 考える手順 → 答え」という3 段の出力を求めます。手順を書かせることで、モデルが次に出すトークンの計算に、それまでの途中結果が文脈として残り、複雑な問題でも一貫した結論に到達しやすくなります。
大規模言語モデルは 1 トークンずつ次の語を予測します。答えを一気に出させると、途中の計算過程が文脈に存在しないまま最終値だけを当てにいくことになります。手順を出力させれば、直前までの計算結果を入力の一部として参照できるため、桁数の多い計算や多段の条件判断でも誤りが減ります。
CoT には、例を示さず「順を追って考えて」とだけ指示する Zero-shot CoT、解法例を数問見せる Few-shot CoT、モデル自身に複数の推論経路を出させて多数決を取る自己一貫性(Self-Consistency)などの派生があります。精度・コスト・実装の手軽さのバランスで選びます。
CoT が効くのは、算数の文章題、多段の条件分岐、契約文の解釈など、途中の手順を言葉にできる問題です。逆に、単純な分類・抽出・翻訳のように答えが一意で手順が無いタスクでは、効果が小さい一方で出力とコストだけが増えます。用途で使い分けることが重要です。
CoT は 2022 年、Google の Wei らが「Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models」で体系化した手法です。算数の文章題などで、解法の途中式を見せる例を数問与えると、大規模モデルの正答率が大きく向上することを示しました。同年には Kojima らが、例を示さず「Let’s think step by step」とだけ加える Zero-shot CoT を発表し、特別な例示なしでも効果が出ることが広まりました。
| 算数・計算問題の補助 | 手順を書かせて計算ミスを減らす |
|---|---|
| 多段の条件判断 | 規程の当てはめなど、条件分岐の多い判断を整理させる |
| 文章の論理チェック | 主張と根拠のつながりを手順として確認させる |
| 教育・学習支援 | 解法の手順を解説させ、考え方を学ぶ |
手順を書かせても、その手順自体が誤っていることはあります。CoT は誤りを減らす手法であり、保証ではありません。重要な判断では、手順を人が検算し、根拠を確認する工程が必要です。
一定以上の規模のモデルで効果が出やすいのは事実ですが、小型モデルでも解法例を見せる Few-shot CoT なら改善する場合があります。自社のタスクで実測して判断するのが確実です。
あくまで「答えの前に手順を書く」こと自体に効果があります。単純なタスクでは効果が薄く、コストだけが増えます。複数手順が必要な問題に絞って使うのが実務的です。
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タスクとモデルによります。算数の文章題など多段の推論では大きく改善する報告がありますが、単純な分類や抽出ではほとんど差が出ません。自社のデータで CoT あり・なしを実測して判断するのが確実です。
Zero-shot CoT として一定の効果はありますが、誤りが減るだけで正しさは保証されません。解法例を 1〜2 問添える Few-shot CoT にすると、型式と精度がより安定します。
手順の数や 1 ステップの長さに上限を指定します(例:手順は 5 ステップまで、各 1 文まで)。検証に必要な粒度を保ちつつ、不要な説明を削るのがコツです。
使えますが、計算の前提や数値はプロンプト内に与える必要があります。最新情報や社内規程を根拠にしたい場合は、RAG と組み合わせて資料を参照させます。
Chain-of-Thought は、答えの前に考える手順を書かせるだけで、多段の推論タスクの正答率を引き上げるプロンプト手法です。特別な学習は不要ですが、効果とコストはタスク次第で変わるため、用途を絞って実測しながら使うのが基本です。
出典:Wei et al. (2022) Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models — arXiv:2201.11903/Kojima et al. (2022) Large Language Models are Zero-Shot Reasoners — arXiv:2205.11916/Brown et al. (2020) Language Models are Few-Shot Learners — arXiv:2005.14165
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