問い合わせの分類やコメントの判定で、結果が片方の区分に寄ることがあります。原因をモデルの限界と決めつける前に、依頼文の中の例示を疑う価値があります。Learn Prompting の解説は、例示の配分と順序、そして明示の指示という3つの調整方法を示しています。

例示の数が偏ると、答えも偏る
解説ページは、肯定と否定の2分類で、肯定の例を3つ、否定の例を1つ渡した場合を例に挙げています。配分が3対1に傾くと、模型は肯定側を選びやすくなります。例示は「こういう形で答えてほしい」という見本なので、見本の数がそのまま答えの傾向になります。
手順1:例示の数を区分ごとに数える
いま使っている依頼文の例示を、区分ごとに数えます。数が揃っていない場合は、少ない側を足して配分を揃えます。3対1のような偏りは、意図して作っていないことが多いので、数えるだけで見つかります。
手順2:並び順を入れ替えて試す
解説ページは、例示の順序も結果に影響すると述べています。肯定の例を先に並べた場合と、交互に並べた場合では、答えの寄り方が変わります。順序を変えて同じ入力で試し、結果が変わらなければ、順序の影響は小さいと判断できます。
手順3:偏らないように指示を1文入れる
解説ページは、偏りを避ける指示を依頼文に明示する方法も紹介しています。属性の異なる人々を等しく扱い、情報が足りない場合は推測せず「不明」を選ぶ、という趣旨の一文です。分類の区分に「不明」を用意していない場合は、この指示を入れる前に区分の設計を見直してください。
手順4:件数を数えて偏りを確かめる
調整した依頼文で、実際のデータを50件ほど通し、区分ごとの件数を数えます。実データの分布と大きく違うなら、まだ偏りが残っています。ここで初めて、モデル側の限界を疑う順番になります。
手順5:点検の記録を残す
配分、順序、指示の3つをどう変えたかを1行ずつ記録します。この記録があると、次に担当が変わっても同じ点検を繰り返せます。少数例示学習(few-shot)の考え方と合わせて読むと、例示の役割がつかみやすくなります。
FAQ
Q. 偏りは完全になくなりますか?
A. なくなりません。解説ページも、入力の例示や学習データに由来する偏りを完全に除く方法は示していません。件数を数えて、許容できる範囲かを判断する運用になります。
Q. 人の判断が入る分類でも同じ点検をしますか?
A. します。人の判断が入る分類ほど、寄った結果に気づきにくくなります。件数の確認だけでも、点検としての効果があります。
出典
出典:Learn Prompting「Prompt Debiasing」(2024年8月7日更新、2026年10月24日参照)
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関連ガイド
同じ時期に公開した実務ガイドと、用語の定義ページです。手順の前提が分からない場合は、用語ページから確認してください。コピーして使える依頼文が欲しいときは、プロンプト集も参照してください。
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編集部の見解
分類の偏りは、結果表を見ているだけでは気づきません。気づくのは、区分ごとの件数を数えたときです。例示の配分を揃える、順序を変えて比べる、指示を1文足す。どれも数分で終わる作業なので、大きな仕組みを作る前に、この3つを試す順番をお勧めします。
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