調査テーマをAIで「答えられる問い」に分解する:調査設計の手順

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UXリサーチャー/AIツール評価
調査テーマをAIで「答えられる問い」に分解する:調査設計の手順

「AI活用の最新動向を調べて」と言われて困るのは、何を書けばいいか分からないからではありません。答えの形が決まっていないからです。問いを分解し、各問いに確認方法を割り当てると、調査は一気に進みます。本記事では、プロンプトの構成要素を整理した教材の考え方を参考に、分解の手順をまとめます。

調査テーマをAIで「答えられる問い」に分解する:調査設計の手順のポイント

調査が長引くのは、問いが大きいから

大きな問いには、大きな答えしか返ってきません。「最新動向」という問いに対しては、一般論の寄せ集めが返ってきます。それは回答者の能力の問題ではなく、問いの設計の問題です。答えの形を先に決めれば、調べる範囲も自然に決まります。

手順1:テーマを1文で書く

まず、依頼された内容をそのまま1文にします。このとき「〜について」で終わらせず、「〜を決めるために」まで書きます。「来期のツール選定を決めるために、AI議事録の動向を調べる」のように、判断とセットにします。

手順2:誰が何を決めるのかを確認する

調査の目的は、判断の材料を出すことです。誰が決めるのか、決める期限はいつか、決めたあとに何が起きるのか。この3つを書くと、不要な調査が半分になります。

ここが曖昧なまま進めると、聞かれたことのない比較表を作ることになります。時間はかかるのに、判断には使われません。

手順3:3階層に分解する

階層 問いの形 例
事実 何が起きているか 議事録の自動化はどの方式に分かれるか
比較 選択肢ごとに何が違うか 方式ごとに、必要な準備と精度はどう違うか
判断 自社の条件ではどれを選ぶか 社内会議の録音が可能な条件で、どれが現実的か

この3階層を意識すると、調査の抜けが減ります。事実だけ集めて比較を飛ばすと、判断の場で「で、どれがいいのか」と聞かれます。

手順4:AIに問いの抜けを指摘させる

分解した問いをAIに渡し、次のように頼みます。「この問いの一覧から、判断に必要だが抜けている問いを5つ指摘してください。条件や制約に関する問いを優先してください。追加の事実は書かず、問いの形だけで返してください」。

AIは問いの作成が得意です。ただし、答えを書かせると根拠のない断定が混ざります(ハルシネーションの項も参考にしてください)。この段階では問いだけを受け取り、答えは自分で調べます。

手順5:各問いに確認方法を割り当てる

問いには、必ず「どこで確認するか」をセットにします。公式サイトの仕様ページ、公開されている資料、社内の実測。確認方法が書けない問いは、そもそも調査対象として成立していません。削るか、別の形に変えてください。

手順6:調査メモを1枚に固定する

形式は、問い、分かったこと、出典、確度の4列です。確度は「公式に記載」「複数ソース一致」「推測」の3段階で書きます。推測が混ざったまま資料に載ると、後で取り返しがつきません。この4列があると、どこまでが事実かを自分でも確認できます。調べ方の基本はチュートリアルで順に追えます。

よくあるつまずき

ひとつ目は、AIの回答を事実として扱うことです。もっともらしい文章でも、出典がない場合は仮説として扱ってください。ふたつ目は、問いを増やしすぎること。10を超えると、どれも浅くなります。判断に効く5つに絞り、残りは付録に回します。

三つ目は、調査の途中でテーマを変えることです。新しい論点が出てきたら、いったんメモに置き、今回の調査範囲には入れません。範囲を広げる判断は、調査が終わってから行います。

FAQ

Q. 出典が見つからない問いにはどう対応しますか?

A. 出典がないことを、そのまま「未確認」と書いてください。空欄にするより、未確認と明示するほうが判断者にとって有用です。推測で埋めると、後工程で混乱します。

Q. 調査の範囲はどこで切ればいいですか?

A. 「この問いに答えが出たら判断できる」と言える地点で切ります。判断に必要ない論点は、どれだけ面白くても今回の範囲外にしてください。

Q. AIに最初から調査させてはだめですか?

A. 概要を掴む用途なら有効です。ただし、その内容は仮説として扱い、必ず一次情報で確認してください。とくに数値と日付は、転記の段階で崩れやすい箇所です。

あわせて使いたいツール

本記事の手順を実際に回すときに、候補になるツールを挙げます。いずれも無料から試せる範囲があり、料金や機能は各サービスの公式情報で確認してください。

  • Perplexity:出典をたどりながら確認できる
  • ChatGPT:問いの分解と整理に向く

編集部の見解

調査で差がつくのは、集める速さより「問いの精度」です。問いが噛み合っていれば、3件の情報で判断できます。逆に問いがずれていると、30件集めても結論が出ません。AIは問いを増やすのが得意なので、増やしたあとに削る作業を必ず入れてください。削るのは人にしかできません。



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