ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とHuaweiノアズアーク・ラボなどの研究チームは、規則不明のゲームに挑むベンチマーク「ARC-AGI-3」の公開セット25ゲーム・183レベルをすべてクリアしたエージェント「Memento 3」を報告しました。言語モデル本体は一切再学習していません。

何が達成されたのか
ARC-AGI-3は、ルールも目的も操作の意味も知らされずに、ピクセル風の見知らぬゲームを攻略させる対話型ベンチマークです。arXivに投稿された論文(10月8日付)によると、Memento 3は公開セットを人間の比較プレイ(17,135手)の約44%にあたる7,518手で完了し、人間比の行動効率を示すRHAEで満点の100.0を記録しました。従来最高は99でした。
仕組み:「Code as Model」
エージェントはまず、ゲームの仕組みに関する仮説を自然言語の「ルールブック」に書き留め、それをPythonコードに翻訳して内部シミュレータを作ります。予測が実際の画面と食い違えば、コードとルールブックの両方を書き直します。64×64のフレーム単位で過去の手番を再生して整合を確認し、変更はGitで記録して失敗時はロールバックできます。基盤モデルはClaude Opus 5を推論最強設定で使用し、重みは凍結(更新なし)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 達成 | ARC-AGI-3公開セット25ゲーム全クリア/RHAE 100.0(報告値) |
| 行動数 | 7,518手(人間比較17,135手の約44%) |
| 基盤 | 凍結したClaude Opus 5(再学習・ゲーム別チューニングなし) |
留意点
成果は公開セットに限られ、汎化を試す非公開セットでの成績は示されていません。同一基盤モデルを公式ハーネスで動かした場合はRHAE約40.7にとどまるため、改善の主因はエージェント設計側にあります。論文はプレプリントで、評価もチーム自身による実行です。
編集部の見解
「重みを更新しない学習」がどこまで実力になるかを示した興味深い研究です。ただし満点はあくまで公開ゲーム上の話で、実務で通用する汎化性能の証明ではありません。それでも、経験を外部のルールブックとコードに蓄え、食い違いを検証して直していく設計は、Claudeのような汎用モデルをGitHub CopilotやChatGPTのエージェント機能で長時間運用する場面にも通じる発想です。応用研究の動きを追う価値があります。
my-best.ai 編集部
出典:Pandaily「Huawei Noah’s Ark Lab’s Memento 3 Agent Clears All 25 ARC-AGI-3 Public Games With a Frozen Model」(2026年10月11日)/arXiv:2610.11794(プレプリント)
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