指示を細かく書き足しても、出力の形が毎回そろわないことがあります。そんなときは「こう出力してほしい」という見本を2つ以上添える方法が有効です。本記事では、Learn Prompting が公開している例示(Few-shot)の解説を参考に、例の作り方を5つのステップに整理します。

Few-shot とは何か
プロンプトに添える入出力の見本を「例」、その数を「ショット」と呼びます。例が0個ならゼロショット、1個ならワンショット、2個以上なら少数例示学習(Few-shot)です。モデルを追加で学習させるのではなく、その場の指示の中から書き方の型を読み取らせる考え方で、LLM の文脈の扱いを利用した手法です。
例示が向くのは、入力の変化が多く、出力の形式をそろえたい作業です。分類の振り分け、決まった表への転記、決まった文体での下書きなどが該当します。単純な計算や一般常識の質問のように、例がなくても安定する作業では効果が薄くなります。
手順1:そろえたい出力の形を決める
まず「どんな形で出てほしいか」を1つに決めます。項目名と並び順、表か箇条書きか、字数の上限などを具体的にします。ここがあいまいなまま例を作ると、例自体がばらついてしまいます。
手順2:実務から良い例を2つ集める
過去にうまくいった入出力の組を2つ選びます。作り話ではなく、実際に使ったものを選ぶほうが、現場の言い回しが残り精度が上がります。個人情報や社外秘の情報は、名前や金額を置き換えたうえで使います。
手順3:入出力の見出しを付けて並べる
短い入出力なら「入力:出力:」の形で十分です。長い文章を扱うときは「INPUT:」「OUTPUT:」と大文字の見出しにすると、どこからどこまでが1組なのかが読み取りやすくなります。例と実際の依頼のあいだには区切り線や見出しを入れ、取り違えを防ぎます。
手順4:1つだけ実行して足りない情報を探す
例を2つ入れた状態で、本番に近い入力を使って1回実行します。出力が期待と違う箇所は、例に情報が足りないか、順番が悪いかを疑います。説明文を増やすより、同じ傾向の例をもう1つ足すほうが安定することがあります。
手順5:例の数を増やしすぎない
例を増やすほど一般には精度が上がりますが、コンテキストウィンドウの上限があるため、量には限界があります。また、似た例ばかりを並べると、その言い回しに引っ張られて応用が利かなくなる過剰な一般化が起きます。例を1つ足すごとに効果を確かめ、効果が止まったら止めるのが現実的です。
例の形式の使い分け
| 形式 | 書き方 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 短い入出力 | 入力:〜 出力:〜 | 分類、短文の書き換え |
| 長い入出力 | INPUT: 〜 OUTPUT: 〜 | 要約、抽出、長文の整形 |
| 問答形式 | Q: 〜 A: 〜 | 質疑応答の型をそろえる |
よくあるつまずき
多いのは、例の中に違う形式が混ざってしまうことです。1つ目の例は箇条書き、2つ目は表、という状態では、モデルはどちらをまねすればよいか判断できません。また、例外処理まで例に書こうとして例が長くなりすぎると、依頼内容そのものが埋もれてしまいます。
よくある質問(FAQ)
Q. 例は何個入れればよいですか?
A. 2つ以上が目安で、決まった数はありません。2つで足りることも多く、3〜5つで頭打ちになる例もよくあります。数より「そろえたい形が読み取れるか」を基準にしてください。
Q. 例と指示はどちらを先に書きますか?
A. 短い指示を先に書き、そのあとに例を並べる形が扱いやすいです。長い資料を読ませる場合は、資料を先に置き、依頼と例を末尾にまとめると指示が埋もれにくくなります。
Q. 例をそのまま本番データとして使ってもよいですか?
A. 顧客名や金額などの機微な情報は置き換えてから使います。外部サービスの学習に使われない設定かどうかを確認し、社内のルールに沿って扱う範囲を決めておく必要があります。
すぐに使える指示文はプロンプト集にまとめています。出力の良しあしをどう測るかはAIの回答を採点して改善する5ステップで扱っています。
編集部の見解
例示は「丁寧に説明する」より「正解の形を見せる」ほうが早い、という発想の転換です。当編集部では、うまくいった出力をその場で捨てずに、例の候補として1か所にためておく運用をすすめています。数か月分たまると、業務ごとの型が自然に整理されます。
my-best.ai 編集部
出典:Learn Prompting「Few-Shot Prompting」(要約して紹介しています)
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