FLUX(フラックス)は、Black Forest Labsが公開している画像・動画生成モデルのシリーズです。2026年秋の第3世代では、テキストからの生成と画像の編集が1つのモデルに統合され、最大10枚の参照画像を組み合わせた合成や、画面上の枠で要素の位置を指定するレイアウト制御ができるようになりました。料金は月額契約ではなく1枚ごとの従量課金で、無料のAPI枠は用意されていません。本記事では2026年10月時点の公式情報をもとに、できることと費用の考え方を整理します。
FLUX のポイント
- こんな人に向く:API経由で画像生成を業務に組み込みたい開発者、構図や要素の位置まで指定したいデザイナー、同じ人物や商品の見た目をそろえて量産したい制作チーム
- 強みは「配置の制御」と「参照画像の合成」。0〜1000の座標グリッドで要素ごとに枠を指定でき、複数の参照画像を1枚にまとめられます
- 料金:サブスクリプションなしの従量課金。画像は1枚0.041ドル(768px)から、4Kは1枚0.607ドル。参照画像やプロンプトの追加料金はかかりません
- 無料のAPI枠はなし。試す場合はPlayground(公式のWeb画面)からクレジットを用意する形です。オープンウェイトのモデルを自前環境で動かす場合は別途ライセンス条件の確認が必要です
- 注意点:4Kは1Kの約12倍の単価。会話型のツールではなく、APIとPlaygroundが中心の開発者向けサービスです
FLUXの基本情報
| ツール名 | FLUX |
|---|---|
| カテゴリ | テキスト画像生成 / 画像生成 / 画像編集 / AI 画像ツール / 動画生成ツール / AI 動画ツール |
| 公式サイト | bfl.ai |
| 開発・提供 | Black Forest Labs |
| サービス開始 | FLUXシリーズは2024年から。第3世代のFLUX 3は2026年に発表され、画像モデルは2026年10月1日からAPIとPlaygroundで利用できます |
| 提供形態 | API(従量課金)/Playground(ブラウザ上の試用画面)/オープンウェイト(自前インフラでの実行)/MCP経由でコーディングツールから呼び出し |
| 対応OS | OSに依存せず、Webブラウザ(Playground)とAPIから利用します。自前で実行する場合はWindows・macOS・Linuxに対応し、GPUの利用が推奨されます |
| 主な機能 | テキストからの画像生成、参照画像を使った編集・合成、枠指定によるレイアウト制御、画像内の文字描画、画像の高解像度化、アウトペインティング・消去・ブレ補正・バーチャル試着などの編集ツール、テキストや画像からの動画生成(音声付き) |
| UI・ドキュメントの言語 | PlaygroundとAPIドキュメントは英語です。日本語の公式UIは用意されていません |
| 料金 | 月額契約はなく、生成した枚数・秒数に応じた従量課金(米ドル建て) |
| 無料で試せる範囲 | 無料のAPI枠はありません。オープンウェイトのモデルを自前の環境で動かす場合は、公開されているライセンス条件の範囲で利用できます |
FLUXとは?
FLUXは、Black Forest Labsが手がける画像・動画生成モデルのシリーズです。同社は画像生成の分野で高い評価を得てきた研究チームで、モデルの一部はオープンウェイトとして公開され、自分のパソコンやサーバーに導入して動かすこともできます。APIから呼び出して自社のサービスに組み込む使い方と、公開されたモデルを自前の環境で動かす使い方の、大きく2つの入口が用意されているのが特徴です。
2026年秋の第3世代では、これまで別々のモデルに分かれていた「テキストから画像を作る」機能と「画像を編集する」機能が1つのモデルにまとまりました。料金ページには、画像生成のFLUX 3 Imageと、軽量版のFLUX 3 Image Klein、動画と音声を扱うFLUX 3 Video、ロボットやゲームの行動予測を担うFLUX 3 Actionが並んでいます。画像モデルは2026年10月1日からAPIとPlaygroundで使えるようになりました。
他の画像生成サービスとの大きな違いは、結果を「指示待ち」で受け取るのではなく、レイアウトまで指定できる点です。キャンバスは縦横とも0〜1000の座標グリッドになっていて、要素ごとに枠と説明文を並べた表を渡すと、その配置に沿って画像を組み上げます。さらに最大10枚の参照画像を同じリクエストに渡せるため、商品・背景・人物をそれぞれ別の画像から持ってきて1枚にまとめる、といった作業ができます。
FLUXが選ばれる理由
第一の理由は、構図の再現性です。ポスターや誌面のように「見出しは左上、商品は中央、ロゴは右下」と位置まで決まっている案件では、言葉で説明するだけの生成では毎回結果が変わってしまいます。FLUXでは要素ごとに枠を指定して配置を固定できるため、作り直しの回数を減らせます。枠の中身だけを後から差し替える編集も、同じ考え方で行えます。
第二に、参照画像を同じ料金で何枚でも渡せる点です。公式の料金ページには、参照画像の枚数によって1枚あたりの単価が変わらないと明記されています。商品写真と背景、使う色味や質感の見本をまとめて渡し、それらを1枚のシーンとして合成する使い方が、追加費用を気にせず試せます。複数の案件で見た目をそろえたいときに効きます。
第三に、契約の縛りがない点です。月額プランや席数の課金はなく、生成した分だけを支払う形なので、使わない月の費用はゼロです。開発の初期段階で少量ずつ試す、公開前に一気にまとめて生成する、といった使いたいに合います。生成に失敗した場合や審査で出力が差し止められた場合は課金されないと公式に案内されています。
FLUXの主な機能
テキストからの画像生成と画像編集
- 1行のプロンプトと縦横比を指定するだけで画像を生成できます
- 同じモデルに画像を渡すと、その画像に指示を適用する編集モードになります
- 参照画像を使わずに生成する場合と、参照画像を使う場合とで、料金は変わりません
枠指定によるレイアウト制御
- キャンバスは縦横とも0〜1000の座標グリッドで、要素ごとに四角い範囲を指定します
- 要素のIDと枠の座標、説明文を並べた表をプロンプトと一緒に渡します
- 枠の外側のピクセルは基本的に維持されますが、影や反射、近くの光は影響を受ける場合があります
- 小さすぎる枠は新しい要素を描き込めないことがあるため、実際の出力を見ながら調整します
参照画像を使った合成
- 1回のリクエストに複数の参照画像を渡し、それぞれに役割を説明して1枚にまとめられます
- 参照画像には順番に名前が割り当てられ、プロンプトから名前で指定します
- 人物の顔や商品の形を保ったまま、背景やシチュエーションだけを差し替える使い方ができます
- 受け付ける参照画像の上限は最大16メガピクセルで、それを超える画像は処理前に縮小されます
画像内の文字描画
- ポスターの見出しや看板の文字など、画像の中に文字を入れる用途を想定した生成ができます
- 要素の説明文に書体の雰囲気や色を書き添えることで、文字の見た目を指定できます
- 多用な言語の文字を描けるとされていますが、細かい文字の正確さは出力を確認する必要があります
動画と音声の生成
- テキストから、または画像を出発点にして動画を生成できます
- 1回の生成で最大20秒のクリップを作成でき、効果音やセリフを含む音声も同時に生成されます
- 開始フレームと終了フレームの画像を指定して、その間の動きを作らせることもできます
- まず下書きを速く作って確認し、それをもとに高品質な版を作り直す流れが用意されています
編集ツールと外部連携
- 画像の外側を描き足すアウトペインティング、不要なものを消す消去、ブレの補正、服を着せ替えるバーチャル試着などの専用ツールが用意されています
- APIのほか、コーディングツールやチャットツールからMCP経由で呼び出す手段が案内されています
- 一部のモデルはオープンウェイトとして公開されており、自前のサーバーやパソコンで実行できます
FLUXの料金プラン(料金表)
FLUXは月額プランも席数の課金もなく、生成した画像の枚数と動画の秒数に対してだけ支払う従量課金です。料金はクレジットという単位で管理され、APIとPlaygroundで同じ単価が適用されます。参照画像の枚数やプロンプトの長さで単価は変わりません。動画は画像とは別の単価体系で案内されているため、金額は公式の料金ページで確認してください。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| FLUX 3 Image(768px・約0.6メガピクセル) | 1枚 0.041ドル | テキストからの生成と画像編集の両方に使えます。SNSの下書きや構図の確認に向いた最小サイズです。 |
| FLUX 3 Image(1K・約1メガピクセル) | 1枚 0.048ドル | Web用の画像や試作に適した標準サイズです。768pxとの差は1枚あたり0.007ドルです。 |
| FLUX 3 Image(1.5K・約2メガピクセル) | 1枚 0.07ドル | 商品ページや記事のアイキャッチなど、多少のトリミングを前提にした用途に向きます。 |
| FLUX 3 Image(2K・約4メガピクセル) | 1枚 0.10ドル | 1Kの約2倍の単価です。拡大して使う素材や、加工前提の書き出しに向きます。 |
| FLUX 3 Image(4K・約16メガピクセル) | 1枚 0.607ドル | 印刷や大判の表示を想定した最大サイズです。1Kの約12倍の単価になるため、完成版の書き出しだけに使うのが現実的です。 |
| FLUX 3 Image Klein | 1枚 0.008ドル(768px)〜0.036ドル(4K) | 軽量版の画像モデルです。同じ解像度の標準版と比べて単価が低く、自前の環境でも動かせる軽さが特徴とされています。 |
| FLUX 3 Video | 秒単位の従量課金(単価は公式の料金ページに記載) | テキストや画像から音声付きの動画を生成します。まず下書きを作り、確認してから高品質版を書き出す流れが用意されています。 |
| オープンウェイトのライセンス | 要問い合わせ(条件はモデルごとに異なります) | 自前のインフラでモデルを動かす場合のライセンスです。公開されているモデルは条件の範囲で利用でき、商用の大規模利用では別途ライセンスの相談が必要とされています。 |
料金・モデル名・提供条件は変更されることがあります。価格は米ドル建てで、日本のクレジットカードで支払う場合は決済時の為替と手数料が別途かかります。起動しているように見えて失敗した生成や、審査で出力が差し止められた分は課金されないと公式に案内されていますが、実際の請求は利用明細でご確認ください。本記事は2026年10月時点の公式サイトの表示にもとづく整理であり、契約前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。
FLUXはどんな人におすすめ?
- 自社のサービスやツールに画像生成を組み込みたい開発者
- ポスターやバナーなど、要素の位置まで指定して画像を作る必要があるデザイナー
- 商品写真や人物の見た目をそろえて素材を量産したい制作チーム
- 生成した画像をそのまま印刷や大判の表示に使いたい人
- オープンウェイトのモデルを自前の環境で動かしたいエンジニア
FLUXのメリット
- 配置まで指定できる。要素ごとの枠を渡せるため、構図が決まっている案件でも作り直しが減ります
- 参照画像の枚数で単価が変わらない。複数の画像をまとめて1枚に合成する使い方を、追加費用を気にせず試せます
- サブスクリプションがない。月額も席数課金もなく、生成した分だけを支払う形です
- 画像と動画を同じAPIで扱える。静止画から動画までを1つの系列のモデルでカバーできます
- 失敗分は課金されない。生成に失敗した場合や審査で出力が差し止められた場合は請求対象外と案内されています
- オープンウェイトの選択肢がある。一部のモデルは公開されており、自前の環境で実行できます
FLUXのデメリット・導入前の注意点
- 無料のAPI枠がない。試すにもクレジットの購入が必要で、気軽な比較がしにくい料金体系です
- 4Kの単価が高い。1枚0.607ドルと、1Kの約12倍になります。何枚も試す用途には向きません
- 会話型の画面ではない。プレビュー付きの指示画面はありますが、ChatGPTのような対話で作り込む使い方は想定されていません
- 枠指定の書き方を覚える必要がある。座標と説明文を並べた表を作るため、最初は戸惑います
- UIとドキュメントは英語。日本語の公式画面は用意されていません
- 動画の単価が料金ページで読み取りにくい。画像と違い、秒あたりの金額は条件によって幅があります
FLUXに関するよくある質問(FAQ)
Q. Q. FLUXは無料で使えますか?
A. A. APIには無料枠がなく、生成した分だけを支払う従量課金です。公式のPlaygroundで試す場合もクレジットが必要です。無料で使えるのは、オープンウェイトとして公開されているモデルを自前のパソコンやサーバーで動かす場合で、この場合もモデルごとのライセンス条件に従う必要があります。
Q. Q. 他の画像生成サービスと何が違いますか?
A. A. 要素の位置を枠で指定できる点と、参照画像を同じ料金で複数渡せる点が大きな違いです。言葉で情景を説明して1枚を仕上げる使い方よりも、決まった構図を再現する、決まった商品の見た目を保つといった、条件を固定したい作業に向いています。
Q. Q. 商用利用はできますか?
A. A. APIとPlaygroundで生成した画像は、公式の規約に従う範囲で利用できます。オープンウェイトのモデルを自前で動かす場合は、モデルごとに商用利用の条件が定められているため、配布や納品に使う前にライセンスの確認が必要です。公式サイトには商用ライセンスの相談窓口が用意されています。
Q. Q. 画像の編集はできますか?
A. A. できます。同じモデルに参照画像とプロンプトを渡すと、その画像に変更を加える編集モードになります。一部の要素だけを差し替える、色を変える、背景だけ入れ替えるといった編集ができ、アウトペインティングや消去、ブレ補正などの専用ツールも別途用意されています。
Q. Q. 日本語のプロンプトでも使えますか?
A. A. 公式ドキュメントには日本語プロンプトへの対応についての明示的な案内がありません。プロンプトは追加料金なく何度でも書き直せるため、英語のプロンプトで意図が伝わらない場合に比べて検証の負担は小さいものの、日本語で運用する場合は出力を確認しながら言い回しを調整してください。
Q. Q. 生成した画像が意図どおりにならないときは?
A. A. 枠の指定が小さすぎると要素を描き込めないことがあり、枠の外でも影や反射、近くの光は変化する場合があります。まず768pxや1Kで構図を固め、意図どおりになった段階で上位の解像度に切り替えると、無駄なコストを抑えられます。
FLUXのまとめ
FLUXは、Black Forest Labsが提供する画像・動画生成モデルのシリーズです。要素ごとに枠を指定して構図を固定できること、参照画像を同じ料金で複数渡せること、月額契約のない従量課金であることが主な特徴です。2026年秋の世代では画像と編集が1つのモデルにまとまり、無料枠がない代わりに失敗分は課金されない仕組みになっています。向いているのは、API経由で自社の業務に組み込みたい開発者、構図まで指定して画像を作るデザイナー、同じ見た目の素材を量産したい制作チームです。会話しながら作り込む使い方や、無料で試したい用途には向きません。まず1Kで構図を固め、必要な枚数だけ4Kに切り替える運用が、費用を抑える現実的な進め方です。
