Flashモデルは「安い代替品」を卒業した──DeepSeekとMiniMaxが72時間で示したもの

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UXリサーチャー/AIツール評価
Flashモデルは「安い代替品」を卒業した──DeepSeekとMiniMaxが72時間で示したもの

10月17日にDeepSeekがV4.1 Flash-1017を出し、その直後にMiniMaxがM3.1 Flashを投入しました。72時間以内に、中国の「Flash」級モデルが2つ揃ったことになります。どちらも安さを売りにしながら、一部の評価では旗艦モデルを上回ります。軽量モデルの位置づけが変わりつつあります。

Flashモデルは「安い代替品」を卒業した──DeepSeekとMiniMaxが72時間で示したもののポイント

「安いから使う」段階は終わった

これまでFlashと名の付くモデルは、能力の一部を犠牲にして速度と価格を取る選択肢でした。今回の2つは、その前提を崩しにきています。MiniMaxはM3.1 Flashについて、前世代のM3と比べてコーディング、サイバーセキュリティ、複雑なエージェントタスクが大きく伸びたと説明します。価格は入力・出力ともに前世代の半額、キャッシュ読み取りは約75%減です。

評価 M3.1 Flash DeepSeek V4.1 Flash-1017
DeepSWE v1.1 73.7% 77.0%(首位)
BankerToolBench 76.2(Opus 5と同点首位) 非公開
CyberGym(1,507件の脆弱性) 82.2 非公開
OSWorld 2.0 61.7(中国製首位) 54.3
Agents’ Last Exam 29.6(中国製首位) 非公開
出力速度 200TPS超(P50 170TPS超) 非公開

CyberGymは188の実在ソフトウェアプロジェクトから集めた1,507件の過去の脆弱性を使う評価です。ここで82.2は、GPT-5.6 Solの83.6と近い水準。金融の多段階計画、文書間の整合性、規制対応、複雑なツール呼び出しを測るBankerToolBenchでは、Opus 5と並んで首位です。

速度は「体験」ではなく「原価」の問題

200TPSという数字は、体感の話に見えます。しかしエージェントが仕事をする場合、意味が変わります。タスクを理解し、ツールを呼び、結果を読み、次の行動を決める。このループを何十回も回すので、1回の遅れが積み上がります。1呼び出しで2秒縮まれば、30回のループで1分変わる。速度は待ち時間ではなく、実行コストに効いてきます。

何が起きているのか

構造的には、モデルの設計思想が分かれました。DeepSeek V4.1 Flashは疎なMoEで、総パラメータ552B、推論時は入力8B・出力16Bのみを活性化します。MiniMaxはより攻撃的な疎な注意機構を選び、長い文脈を保ちながら速度を稼ぐ方向に振りました。同じ「軽量・高速」でも、得意分野が違います。

結果として、開発者は道具を2つ持つ状態になります。コードを大量に書かせるならDeepSeek、長い文脈を保ちながら業務を自動化するならMiniMax。単価が近いので、切り替えのコストはさほど大きくありません。

よくある質問

Q. 旗艦モデルは不要になりますか。
A. すぐにはなりません。長い推論や難しい設計判断では、旗艦モデルとの差が残ります。日常処理をFlashに寄せ、難所だけ旗艦に回す構成が現実的です。

Q. 料金は今後も下がりますか。
A. 単価の下落は続くと見られますが、利用量の増加で総額は増える方向です。コスト管理は単価ではなく、1タスクあたりの消費量で見る必要があります。

編集部の見解

2つのモデルが72時間で出たことを「競争が激しい」と読むのは簡単です。ただ実務者にとって重要なのは、選択肢が増えたことで、モデルを固定する理由がなくなったという点です。以前は「APIを書く手間」が乗り換えの障壁でしたが、いまは多くのSDKが互換層を持っています。

おすすめは、自社の代表タスクを10個ほど決めて、四半期ごとに2モデルで走らせて比べる運用です。評価はベンチマークのスコアではなく、手戻りの回数で見る。日本の現場では、この手戻りの多さがそのまま工数になります。

my-best.ai 編集部

出典:36Kr「72時間足らずでDeepSeekとMiniMaxが相次ぎ回答提出——Flash勢がそろってフラッグシップに挑む」(寄稿:鳳凰網科技、2026年10月20日)

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