10月12日、一加16の発表会で価格が5,699元と告げられた瞬間、会場から歓声は上がりませんでした。前世代の一加15の初売価格より1,700元高い。ゲーム性能を売りにした端末が、学生の予算から大きく離れた瞬間です。背景にあるのは、AIデータセンターが奪っているメモリの供給です。

何が起きているか
クアルコム中国の董事長、孟樸氏は「業界に数十年いて、メモリが1年で4〜5倍になったのを見たことがない」と語りました。小米のCEO、盧偉冰氏は、この高値が少なくとも2027年末まで続くと見ています。今年大学に入った新入生は、在学中ずっと値上げ局面にいる計算です。
| モデル | 価格 | 前世代からの変化 |
|---|---|---|
| 一加16 | 5,699元 | +1,700元 |
| 一加 Ace 6 | 3,099元 | +500元(2,599元から) |
| iQOO Neo 11 | 2,699元 | +400元 |
| 紅米 K90 | 2,599元 | +100元 |
| iQOO Neo 11 最大メモリ構成 | 4,499元 | — |
中国のスマホ市場はすでに買い替え中心で、年間1,000万人強の大学新入生がほぼ唯一の増分です。最初に買う端末がブランドの習慣を決めるため、各社はここに集中します。ところが、その層の主戦場である2,000〜3,500元の価格帯が、部材高で維持できなくなっています。
調査では、買い替え周期が3年を超える大学生が4割近く、2年以上が7割を超えました。値上げは需要そのものを削っています。
価格帯が壊れると、競合が変わる
Omdiaの分析では、2025年の中国本土における5,000〜6,000元帯の出荷は約2,300万台で、主流はAppleとHuaweiの上位機です。性能重視の端末が5,000元台に上がると、競合は同業他社ではなく、この2社になります。そして2社はeスポーツの大会スポンサーではなく、教育割引とエコシステムで学生を獲る。土俵が変わります。
Appleは大学生のブランド占有率が約3割とされ、Huaweiのnovaシリーズは新入生向けの教育優待を用意しています。値上げで性能帯が上がった結果、価格以外の理由で選ばれる勝負に入った、という見方もできます。
よくある質問
Q. メモリ高は日本にも影響しますか?
A. します。日本市場の端末価格も部材費に連動するため、同じ時期に値上がりが波及します。特にミドルレンジの値上げ幅が大きくなります。
Q. 買い替えは急ぐべきですか?
A. 必要な機能が現行機で足りているなら、待つ理由は乏しいです。逆にメモリ容量で困っているなら、値上げが続く前提で早めに動いたほうが安全です。
編集部の見解
この記事は端末の話に見えて、AIのコストがどこに転嫁されるかの話です。データセンターがメモリを買い占めれば、その皺寄せは個人のスマホ代に来る。AIの恩恵を受けるのは企業だけで、コストは消費者が払うという構図が、はっきり数字で出ています。
日本で注目すべきは、この転嫁が家計に効くタイミングです。端末の買い替えを2年ごとにしている人は、次の更新で想定より1〜2万円高い見積もりを見ることになります。企業のPC更新も同じです。予算策定のときに、半導体市況を前提に置いておくほうが安全です。
my-best.ai 編集部
出典:36Kr「チップは6倍高、学生向け機は5,000元に迫る——スマホ各社の若者争奪戦」(寄稿:中国企業家雑誌、2026年10月20日)/Omdiaの分析による
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