AIサーバー市場、ゴールドマンが2027-28年予測を最大45%上方修正──値上げが追い風になる理由

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AIサーバー市場、ゴールドマンが2027-28年予測を最大45%上方修正──値上げが追い風になる理由

ゴールドマン・サックスの世界サーバー担当チームが10月18日付でリポートを出し、世界のサーバー市場のTAM(獲得可能な市場規模)を2027年は+31%、2028年は+45%へ上方修正しました。AIサーバーと汎用サーバーの両方が対象です。注目すべきは数字の大きさより、部材高を「需要の強さの確認」として読み替えた論理の組み立てです。

AIサーバー市場、ゴールドマンが2027-28年予測を最大45%上方修正──値上げが追い風になる理由のポイント

上修の中身

区分 2026年 2027年 2028年
ラック型AIサーバー(NVL72相当、万台) 6.3 11.0 16.4
前年比 +238% +75% +49%
8GPU AIサーバー(GPU+ASIC、万台) 173.0 265.5 330.5
派生するAIチップ需要(万個) 1,836 2,917 3,828
汎用サーバー出荷の伸び +20% +12% +8%

2028年のASIC比率は約58%(本文の表現では約60%)。世界の大手クラウドは約49%、中国のクラウドは92%に達する見通しです。AIの計算資源は、NVIDIAの単一供給から「GPU+自社ASICの二本立て」へ移りつつある、というのがこの数字の意味するところです。

値上げが「コスト」ではなく「支出」に変わる

メモリ価格の上昇は、サーバー本体の平均販売価格を押し上げます。普通に考えれば需要の重しです。ところがリポートは逆の筋を描きます。CSP(クラウド事業者)は値上がり分を資本的支出に組み込み、調達の総額を削らずに拡大させている。値上げ分が原価ではなく支出として処理されるため、TAMの上方修正につながる、という整理です。

同時に製品構成が変わります。ラック単位でGPU、冷却、電源をまとめて積む形になると、台数が伸びなくても単体の価値が跳ね上がります。8GPUサーバーの2026年出荷見通しを7%下方修正しているのも、需要が弱ったのではなく、米系大手クラウドがより高密度なラックへ移ったためです。同じ需要を、より高価な形で買っているわけです。

恩恵はどこへ流れるか

リポートは価値連鎖ごとに投資対象を並べています。ODM・組み立て、光モジュールとシリコンフォトニクス、高多層基板、冷却と構造部品、そして上流のファウンドリや検査用の部品です。日本企業の名前は主要な銘柄として挙がっていませんが、冷却、精密部品、検査装置、素材の側からこの連鎖に入っている企業は少なくありません。

注意点として、リポート自身が2つの変数を留保しています。部材高がCSPのキャッシュフローを圧迫する可能性と、AI投資の商業化がいつ回収されるかという時間軸です。どちらも2027年以降の前提を揺らし得ます。

よくある質問

Q. 「3年で8倍」とはどの数字ですか。
A. ラック型AIサーバーの出荷が2026年の6.3万台から2028年に16.4万台へ増えるペースを指します。金額ベースでは単価上昇が加わるため、伸びはさらに大きくなります。

Q. 汎用サーバーまで伸びるのはなぜですか。
A. エージェント型のAI処理を前提にした新しいCPUが投入され、AI以外の用途でも更新需要が発生するためです。加えてメモリ高が単価を押し上げます。

編集部の見解

この種のリポートは当たる外れるで読むより、前提の置き方を見たほうが実務に役立ちます。今回の前提は「CSPは値上げしても買い続ける」という一点に集約されています。裏を返せば、クラウド各社の資本的支出が1四半期でも減速すれば、この上修は一気に崩れます。

日本の製造業がこの波に乗る場合、狙い目は完成品ではなく、ラックの高密度化で必ず必要になる部品です。冷却、電源、高速伝送、放熱材料。台数が伸びなくても単価が上がる領域のほうが、価格交渉力を持ちやすい。派手なAIチップの話から一段下がったところに、実際の受注があります。

my-best.ai 編集部

出典:36Kr「ゴールドマン・サックス、世界のAIサーバー予測を再び大幅上方修正」(寄稿:Gelonghui、2026年10月20日)/ゴールドマン・サックス 10月18日付リポートの引用による

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