週79兆トークン、25週連続で米国超え──中国モデルの「量」と「収益」の距離

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UXリサーチャー/AIツール評価
週79兆トークン、25週連続で米国超え──中国モデルの「量」と「収益」の距離

先週、APIアグリゲーターのOpenRouter全体の呼び出し量は164兆トークンでした。うち中国モデルが79.18兆、米国モデルが17.36兆。倍率は約4.5倍で、25週連続で中国が上回っています。週間の上位5位はすべて中国モデルです。ただし、この数字は売上ではありません。

週79兆トークン、25週連続で米国超え──中国モデルの「量」と「収益」の距離のポイント

数字を分解する

指標 数値
全体の週間呼び出し 164兆トークン
中国モデル 79.18兆(約48%)
米国モデル 17.36兆(約11%)
倍率 約4.5倍
連続記録 25週
上位5位 すべて中国モデル

1トークンを英語0.75語として換算すると、164兆トークンは週に270兆語を超えます。桁が大きすぎて実感が湧きませんが、比較の軸としては使えます。

なぜ中国モデルが選ばれるのか

OpenRouterは仲介役で、価格に上乗せをしません。モデル提供者の単価をそのまま開発者に渡し、固定の手数料で運営しています。つまり、ここでの呼び出し量は、開発者の実際の選択がそのまま出た数字です。

BYOK(自前のAPIキーを持ち込む方式)や、ルーティングの接尾辞(:nitroで速度優先、:floorで価格優先)も選べます。試すためのコストが低く、外れたら別のモデルに切り替えれば済みます。

下流の事情もあります。阿里雲、騰訊雲、華為雲といったクラウド各社が推論価格を下げ、ISVがAI機能を製品に組み込む際の原価を押し下げました。数ドルから数セントになれば、機能として載せられます。製造業の現場、越境ECの客服、翻訳、要約。派手ではないが量の出る用途が、そのままトークン数になります。

量と収益の間にあるもの

79.18兆トークンの中身は、均質ではありません。企業の本番利用もあれば、無料枠、試用、自動テストも混ざります。OpenRouterではBYOKの利用者に月2.5万ドル相当の処理枠があり、超過分に5%の手数料がかかる仕組みです。

B向けは単価が高いが決裁が長い。C向けは間口が広いが支払い意思が読みにくい。どちらも、呼び出し量から収益を直接読むことを難しくします。

さらに、オープンソースモデルの自前配備が進むと、集約型のゲートウェイは取り分を失います。自社サーバーで動かす費用がAPIより安くなった時点で、プラットフォームの価格支配力は消えます。中国のモデルが安いことは、集約プラットフォームの立場を逆に弱くします。

日本企業の調達目線では

同じモデルでも、どのゲートウェイを経由するかで、単価、遅延、ログの扱いが変わります。監査やデータ所在地の要件が厳しい業種では、集約型を避けて直接契約にする動きが出ます。

実務で見るべきは、トークン単価と回数の積だけではありません。再試行の発生率、キャッシュのヒット率、長い文脈を渡したときの単価の伸び方。この3つを測らないと、請求額は読めません。

調達の場では、単価の有効期限も確認します。半年前の見積もりが通用しない前提で、四半期ごとに引き直す。契約に価格改定の条項を入れておくほうが、モデル選びの議論より実務に効きます。

よくある質問

Q. 中国モデルは性能で米国を上回ったのですか。
A. 呼び出し量は価格と用途の関数です。フロンティア性能の優劣とは別の指標として読む必要があります。

Q. 79兆トークンはそのまま収益になりますか。
A. なりません。無料枠、試用、値下げ競争が含まれます。有料の企業利用がどれだけかを示すデータは公開されていません。

Q. 日本からも同じように使えますか。
A. ゲートウェイ経由で利用できます。ただし入力データの扱いと保存先は、契約ごとに確認が必要です。

編集部の見解

この種のランキングは、産業の勢力図として読むと誤ります。示しているのは、価格を下げたモデルに開発者が集まるという、ごく普通の経済行動です。

日本の企業がAI機能を組み込む際に参考になるのは、量の多さではなく、単価の下がり方の速さです。同じ予算で扱えるトークン数は、半年で見違えるほど増えました。前提が動く前提で調達を設計する。それができれば、モデル選びで大きく外すことはありません。

my-best.ai 編集部

出典:36Kr「中国の大規模モデル、Token処理量が約80兆に急増——25週連続で米国を圧倒」(寄稿:BT財経、2026年10月20日)

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