チュートリアル / モデル・基盤技術

RAG を自社文書で構築する:設計書を 30 分でまとめる

「社内マニュアルに答えられる AI」を作るための設計手順。実際にシステムを組む前に、対象文書・検索単位・権限・評価の 4 つを決めた設計書をまとめます。設計書があれば、自作・ベンダー依頼どちらでもブレなくなります。

対象用語:RAG(検索拡張生成)形式:手順+確認ポイント更新:2026年10月13日
手

手順

  1. 対象文書を棚卸しする

    答えさせたい文書をリストアップし、形式(PDF/Word/スプレッドシート)と更新頻度を書き出します。まずは 1 部門・50 ファイル以内に絞るのが成功のコツです。全社一気にはやりません。

    確認ポイント:文書リストに形式と更新頻度の列があるか
  2. 一文書ごとに権限を確認する

    誰に見せてよい文書かを文書単位で決めます。社外秘が混ざる場合、RAG は「検索できた人に見える」ので、権限設計が漏れると情報が流れます。対象を公開資料だけに絞るのが第一段階です。

    確認ポイント:権限レベルが文書ごとに付いたか
  3. チャンクの単位を決める

    文書を検索する塊(チャンク)に分ける単位を決めます。目安は 500〜1,000 字で、見出し・章の境界で分割します。FAQ なら「1 問 1 答え=1 チャンク」が最も精度が出ます。

    確認ポイント:チャンクが意味の切れ目で分かれているか
  4. 質問と正答のサンプルを 10 件作る

    実際に想定される質問 10 件と、正しい回答・出典箇所を表にします。これが構築後のテスト問題になり、「なんとなく良くなった」を防ぎます。

    確認ポイント:質問・正答・出典の 3 列がそろったか
  5. 構成を選んで費用を見積もる

    最小構成は「ファイル検索機能付きの AI サービス」、次に「ノーコード RAG ツール」、自前構築(埋め込み+ベクトル DB+API)の 3 段階。まず真ん中か左から試します。

    確認ポイント:選んだ構成と月額概算を書いたか
  6. 小さく試して精度を測る

    作ったらサンプル 10 件で回答を確認し、「出典が正しいか/答えにくい質問はどう返るか」を記録します。答えられない質問には「わからない」と返す設計を必ず入れます。

    確認ポイント:10 件の結果を記録したか
Q

つまずきポイント

検索はヒットするのに回答が違う
取得した文書が長すぎて重要部分が埋もれています。チャンクを小さくする、質問のキーワードを回答プロンプトに明示する、上位取得件数を 3〜5 件に絞ります。
社外秘を答えてしまいそうで怖い
権限フィルタ付きの構成に変えるか、対象を公開文書だけに縮小します。「まず漏えいしない小さな RAG」から始めて、後から範囲を広げるのが安全な進め方です。

用語の詳細を確認する

RAG(検索拡張生成) の定義・仕組み・出典・プロンプト集はこちら。

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