BtoB SaaS企業のオウンドメディア(M社・仮称)は、「コンテンツをモデル学習に使われたくない」という方針から、robots.txtでGPTBotのみを拒否していました。他のクローラーは許可しており、一見バランスのよい設定に見えます。
診断でわかったこと(Before)
対象:BtoB SaaS企業のオウンドメディア(M社・仮称)
ところがAEO診断では総合69.3点(要改善)。AI Search Coverageは83%で、拒否されていたのはGPTBot1種だけです。ポイントは、AI検索の回答エンジンの多くがGPTBot由来の情報も参照していることで、1種の拒否が「ChatGPTの回答に自社メディアが引用されない」という目に見えない損失につながっていたことです。スコア面でも主要6種40点のうち6.7点が取りこぼれ、botAccessは63.3点にとどまりました。
| 評価軸 | 点数 | 満点 |
|---|---|---|
| botAccess(AIボットのアクセス状況) | 63.3 | 70 |
| AIインフラ(llms.txt) | 0 | 15 |
| 技術(H1・canonical・alt・JSON-LD・lang) | 6 | 15 |
| 総合スコア | 69.3 | 100 |
| 評価ラベル | 要改善 | |
| AI Search Coverage(主要6種の許可率) | 83% | |
改善施策
施策1:学習対策と検索引用対策を分けて考える
「学習に使われたくない」と「検索結果に引用されたい」は両立できます。GPTBotを完全拒否するのではなく、OpenAIの検索クローラー(OAI-SearchBot)と学習用クローラーの役割の違いをBotディレクトリで確認し、方針を再設計。M社では「引用は許可する」方針に変更し、GPTBotのAllowを追加しました。
# 変更前
User-agent: GPTBot
Disallow: /
# 変更後
User-agent: GPTBot
Allow: /
施策2:llms.txt / llms-full.txt を追加してAIインフラ15点を獲得
技術面ではH1とlang属性は適切だったものの、AI向けの案内ファイルが一切ありませんでした。llms.txtジェネレーターでメディアの主要カテゴリ・代表記事をまとめたllms.txtを作成し、さらに主要記事の全文を集約したllms-full.txtを設置。AIインフラが0点→15点になりました。
改善後の診断結果(After)
| 評価軸 | Before | After | 満点 |
|---|---|---|---|
| botAccess(AIボットのアクセス状況) | 63.3 | 70 | 70 |
| AIインフラ(llms.txt) | 0 | 15 | 15 |
| 技術(H1・canonical・alt・JSON-LD・lang) | 6 | 6 | 15 |
| 総合スコア | 要改善 | 91 | 100 |
| AI Search Coverage | 83% | 100% | − |
再診断ではbotAccess 63.3点→70点、AIインフラ 0点→15点となり、総合69.3点→91点(最適)まで改善。AI Search Coverageは100%に回復しました。技術項目(残り9点分)は次フェーズの課題として整理しています。
この事例のポイント
- GPTBotだけの拒否は「ChatGPTからの引用を自ら断っている」のと同じ
- 学習対策と検索引用は別問題。拒否の範囲を目的ごとに設計する
- llms.txt+llms-full.txtの2ファイルでAIインフラ15点(診断の配点どおり)
関連リンク:GPTBotの解説(Botディレクトリ) / llms.txt ジェネレーター / AEO基礎知識:学習と引用の違い
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